削る
夕飯の添え物にキャベツを千切りにして
浅漬けでも作ろうかと支度をしていた時のことだった
細く細くキャベツを刻みながら
彩りに人参と胡瓜もいいかもなんて考えたら
やらないといけない気分になって
ピーラーで皮を剥いていたら、気付いてしまった
生きることは命を削ることなのだと
ずっと生きることは死に向かっていくのだと思っていた
けど
たぶん、生きるって
細く細くキャベツを刻むように
ピーラーで皮を剥くように
少しずつ削っているのだと
それが他人の命なのか
家族の命なのか
自分の命なのか
私にはまだわからないけれど
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