弱さ
仏壇に飾った遺影を見て、娘が言う。
「じいちゃん、わらってるね。」と。
いつも仏頂面だった父はおじいちゃんになって、よく笑うようになった。
「おじいちゃんの新しいおうち」と説明した仏壇を見て、娘が言う。
「じいちゃん、いつかえってくるの?」と。
「いつ、びょういんいく?」と。
「じいちゃんに写真おくって。」と。
もうすぐだよ。
うん、分かったよ、でも写真は明日にしよう。
ずっとそう言ってはぐらかしていたけれど、ある日、娘が言った。
「おじいちゃん、いないね。でも、わたしがいるからさみしくないね。」
三才なのに、どうしてそんなに大人なんだろう。
やっぱり私が弱いせいなのかな。
ごめんね。
でも、貴方はそんなに小さくて弱いのに、わたしを励ましてくれるのね。
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