ヒューマガーディアン

第1話 プロローグ

　それは突然の出来事だった。

　今から１００年前、２０２０年７月２４日東京オリンピック開催日。

　その日、無数の隕石が世界各地に落下した。

　隕石には未知の物質が含まれており、それは落下と同時に空気中に漂い生命に大きな変化を与えた。

　魔力の発現。

　隕石に含まれた物質を生命は取り込むことで、体内に魔力を宿す様になった。

　魔力を宿すようになってから、人々の生活はすっかり変わった。

　生活に必要な電気や車、それらは全て魔力でしか使用出来無くなった。これらも隕石の落下が原因だと言われている。

　また、魔力を宿してから、人類の争いは激増した。

　魔力の発現により、今まではファンタジーの世界でのみ使えた魔法が使えるようになった。

　その魔法によって多くの争いが生まれたのだ。

　国民によるクーデター、今まで虐げられてきた者達の怒りや憎悪は無くならない。

　紛争の時代の始まりだ。

　これから長く続くであろうと思われた紛争の時代だが、それは誰も予想していない速さで終わった。

　魔人と魔獣の出現。

　無理な魔法の使用や、魔力の濃い場所に一定時間いることなど様々なことが原因で体内の魔力は暴走をする。

　魔力が暴走すると、自我を無くし、目についたものすべてを襲う魔人や魔獣と化すのだ。

　魔人や魔獣は世界を滅ぼす程の脅威。

　人類はそれらの脅威を防ぐために争いを無くして一つになる決心をした。

　そして、魔人と魔獣から人々を守るためにある組織が誕生した。

　その組織の名は《ヒューマガーディアン》。