第6話 お兄ちゃんのネッ友。
プ〇4を起動しフレンドリストを見るとネッ友である「REIN」(レイン)がオンラインで待機をしていた。
軽くお待たせと!メッセージを送りVC(ボイスチャット)を繋ぐ。
「あー、あーマイク音量おK?」
「いいよ、ボクは?」
「問題ない、じゃっ早速やりますか~!」
「おす!ヤリ〇ン!」
「ひでぇええw」
安定の下ネタ発言である。
画面に向かって一人で喋りながら笑っているのがおかしな光景なのか、隣に座る紫苑は笑っている俺を見て頭をかしげている。
(イヤホンしててよかった、開幕から下ネタとか今日知り合ったばかりの紫苑と気まずくなったらどうしてくれんだよ)
「レイン、先に言っておくけど今日部屋に妹居るから、ってか隣にいるから今」
「!?ッ もっと先に言ってくれないかなぁwさっきの挨拶でボクが変なやつだと思われたらどうすんだよ~」
「大丈夫だ、お前は十分変なやつだから」
「全然大丈夫じゃないじゃんw」
「「www」」
「まぁ、そんなこともあろうかと今日はイヤホンをしておいたんだがな」
「いぇ~い!流石なっちゃん!!好き好きチュッチュ♡」
なっちゃんとは俺のプ〇4のアカウント名「NATUME」からの呼び名。
「調子にのるな!!」
もちろん俺の会話しか聞こえていない紫苑は頭の上にはてなマークが見えそうなくらいポーッとしてる。
「あれ、、、ちょっと待って?なっちゃんって兄妹とかいないっていってなかった??」
「それがだな、、、にわかに信じられないのだが妹ができたんだよ。今日から俺はお兄ちゃんだ」
「お兄ちゃん!?いくら社畜廃人ゲーマーだからって現実と妄想の区別もつけられなくなるなんて・・・友達やめようかなボク」
「おいおいおいおい、話を聞いてくれ!俺自身も驚いたんだが今日急に親父が再婚してさー」
「なっちゃんが一人っ子なことは前言ってたからわかるけど、シングルだったんだね」
何かを悟ったレインの声音が急に優しくなった。
「いいよそこ気を使わなくてwお互いネッ友なんだから気軽にいこうぜ」
「・・・」
どうやら珍しく言葉を選んでるのか、返信が遅い。いままでずっと遊んできたがお互いにプライベートにはあまり突っ込んでこなかったからな。
「にしても本当に急な話だねw」
「それなー!本当マジ信じられないぜあのクソ親父!そのまま家開けるしびっくりだわ」
「えっ!?じゃあ今は今日家族になりたてほやほやの妹ちゃんと二人きりなの??」
「そうそうw」
「マ!?ねぇ妹ちゃんいくつ?」
「15って親父がいってたな」
ちらっと紫苑の方に目を向けると雰囲気から自分の話をしているとわかったのか紫苑はうんうんとうなずいていた。
「えっピッチピチのJKじゃん!!…もう仲良くなれた?」
「まぁ妹の性格もあってか別に気まずいとかはないかな」
「ふーん、じゃあボクもお兄ちゃんって呼んじゃおうかな~」
「勘弁してくれ!」
とここで、
「お兄ちゃん私も会話聞きたいですぅ」
隣にいるのに完全に蚊帳の外にしてしまっていた紫苑が痺れを切らして話しかけてきた。
「わっ! 今女の子の声がした!」
「だから本当だって言ったろ?」
「ちょっとドヤってるのムカつくなぁ~」
「ってなわけで妹が会話聞きたいってさ、くれぐれも下ネタは注意してな」
「ちょっと恥ずかしいなぁボク、コミュ障だからさw下ネタ封じられたら何話していいかわかんないよ!」
「それもそれでどうなんだ、、、」
「じゃあ、スピーカーに変えるね」
「は~い!」
紫苑の話題を出してしまったからにはしかたがない。設定を変えレインの声がテレビのスピーカーから聞こえるようにする。
「・・・えっと、なっちゃんの妹ちゃん?こ、こんにちは初めまして。いつもナツメさんとゲームして遊んでますレインです。」
「・・・」
なぜか声を聴いた瞬間紫苑の顔が曇った気がした。
「これは私の声は相手に聞こえているのですか?お兄ちゃん」
「マイクは俺がつけてるこのイヤホンだけど、近いから紫苑の声も拾ってるよ」
「おお!お兄ちゃんっだってなっちゃん!」
「やかましいわw」
「・・・初めまして夏目お兄ちゃんの妹、紫苑です」
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