なんか宗教っぽいエッセイ

たっくんスペシャル

第1話 なぜ「IT」がもてはやされるのか。

バイト先でバイトを探す、勤務先で転職サイトを見る時代、

常に時間単価が高いところが求められるが、あまりに好待遇だと水商売だとか裏バイトだとか勝手に勘ぐって敬遠する。

副業解禁になり、国家的にWワークが可能になった。未だ副業禁止の職務規程のある会社が散見するが、時代遅れも甚だしい。

さて、現在令和である。昭和の時代に終身雇用形態が定着し、長く働けば働くほどお金が稼げる時代であった。預金金利は5%台であり預けるだけでどんどん増える。一方、バブルが崩壊した平成では阪神淡路大震災やリーマンショックや東日本大震災など防災、経済面で『自分の身は自分で守る』意識が高まった。誰も助けてくれない上に、個人のスキルを重視する時代になった。日本もアメリカナイズされ成果能力主義が広まった。

成果能力主義の意識が高まった昨今、注目されつつあるITであるが、ITはプログラミングなのかシステム・ネットワーク管理なのかで違うし、ひとくちにITで片付けられないそれはそれは深い世界である。

IT企業というだけでキャーキャー言われる時代であるが、そのITこそ効率を重視した業界であり、娯楽を与えたりもするが、業務の効率化のために利用されることもある。キャーキャー言われる理由として給与面で待遇がいいことがあげられるだろう。昨今のIT業界の期待度は未だ下がることないだろう。エンジニアやプログラマーは然り、コメンテーターとしてコンサルタントが活躍する場も大いにある。今やIT従業者は引く手あまたであり、いつかはフリーランスを目指してITを志す若者も少なくない。

しかし、忘れてはいけないのはこの叫ばれるIT、すでにフォーマットが用意されていることである。

例えば、開発用語のJavaはJava言語を開発する人がおり、Javaの開発環境としてソフトウェアを開発した企業があるということだ。いずれもアメリカが発祥で、インドや中国などIT大国を目指す国も現れているが、数年後もアメリカに対抗できはしないだろう。

GAFAが叫ばれている。GOOGLEもAMAZONもFACEBOOKもAPPLEもすべてアメリカ発祥の企業である。多くの日本人が日常でこの4社の製品に触れているのだ。スマートフォンは切っても切り離せないほど依存しており、通話に限らずメール、インターネット、金銭管理、果ては自動運転やIoTといったテクノロジーが利用され、ただでさえ情報過多の時代においてますます頭悩ます時代になっている。単語を覚えるだけで精一杯なのにさらに新しいテクノロジーが増える。人間は常に勉強しなくてはならない時代なのだ。

もちろん、勉強が嫌いなのはよくわかる。筆者も勉強が嫌いだったからだ。勉強なんかしないで大人になりたいと思ったことさえある。しかし、今の時代「勉強が嫌いだからやらない」が通用しなくなっている。勉強をしないで安定した生活を望むことはできないのである。知識のない者は受験や就活でふるい落とされ、考えない者は悪評がつく。一つでも「自分」という商品を売り出すために、身を削って勉強をする。資格を取る。だから時間を有効活用したいと思う人々が増えた。しかし時間は1日に24時間しかない。頑張ってあがいても24時間は24時間なのだ。与えられた時間を有効に活用したくて、仕事終わりにバイトをする。バイトの休憩中にバイトをする。二重就業ならぬ三重就業も可能なのである。バイトが楽ならばそれを続ければよいが、実際に24時間しかない身分に24時間分以上の給与は与えられない。お金が欲しいのに貯まらないからより働く、そして病気になると貯めた額を散財することになる。その繰り返しだからラットレースといわれ、常に働かなくちゃならない。『金持ち父さん貧乏父さん』の金持ち父さんを目指して財テクを始めるサラリーマンが増えている。自己投資が叫ばれ、資格を取ることが目的になっている。資格を取得するためにお金を使う。筆者はサラリーマンという単語に疑問をもつが、ここでは触れないことにて株や投資信託などの勉強を始めた。どういった金融商品が今後利をもたらすか考えながら選ぶ。巷にはたくさんのハウツー本が溢れている。プレゼンの仕方やプログラミングの方法、聞き方やデートの仕方など。だんだんとハウツー本を通して自己研鑽に努める人々が後を絶えない。自分の価値が上がればその分生活が豊かになることを知ったからだ。

ハウツー本の通りの生活をして、価値の上がった「自分」を売り出す。各々が自分の考えに沿って行動しているならともかく、なぜこうも人は時代の流れにあった生活に身を委ねるのか。もうすでに人間は神を作り出し、操られているのではないか。

筆者のような時代の流れに沿った生き方をしているクラスの人間の他に、ハウツー本を提供しているクラスの人間がいる。そして…時代を操る何者かがいるというのは忘れてはならない。

時代を操る何者かのクラスに属することでこのヒエラルキーから抜け出すことができるのか。そもそも何者かのクラスに属することが現実的に可能なのか。日本はイギリスやインドと違ってカースト制度がない国で有名であるが(江戸時代には強力なカースト制度があったが)世界単位でみるとどうだろう。日本人の地位が下がっているのは言うまでもない。いや、日本人が下がったのではなくインドや中国といったIT途上国が上がってきたといった方が正しい。未だに新しい事物に後手後手で立ち回るスタイルでは追いつくことはできないだろう。高度経済成長期に活躍した先人は日本のGDPを世界2位にまで持っていくことが出来た。

後手後手の考え(どろなわ)を捨て、常に先読みすることで時代の波に乗れるのである。インフレや預金封鎖が騒がれる時代、預金を銀行に預けることはリスクである。銀行選びもシビアな時代になったといえよう。キャッシュレス社会が浸透したことで、PayPayや楽天ペイなどを利用して買い物をする際に、ポイントが貯まりやすい銀行の口座やカードを作ることがセオリーになった。日本にはペイオフという制度があり、1,000万円までなら預金の保証がある。しかし、1,000万円では毎月配当で4万円程度である。これを不労所得と言い切れるのかというと読者の皆さんに任せるが、いくら入金しても2年間一回も出入金記録なき口座は口座維持手数料の餌食にされる。

ただでさえ低金利なのに増税だの保険料が上がるだの、副業こそ税務署の手が伸びる伸びる。1年で20万円より多く稼ごうものなら所得税という税金が嬉々としてやってくる。呼んでなくてもやってくる。他にも、住民税は上がるし、消費税もますます上がる。

お金が欲しくてもなかなか容易く手に入れにくい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る