転生したら石石石石石石石石石石石石石石

ハギワラシンジ

ありふれた日常Day!

 魔女のおでこみたいに広いグラウンドの端っこに、いつの間にか生えていた紫のチューリップ。そこで、俺はゆっくり横になっていた。

 俺はそう、どこにでもいる高校生。

 中間テストがめんどくてな。やれやれ。

「おーい萩原ぁ!」

 このめんどくさい声は……明人か……。まったく。

「なんだよ、そのめんどくさそうな声はよぉ」

「お前のことだからどーせ、かわいい女の子探しにいこーぜ!とかだろ?」

「よくわかったな!」

 口をニッと吊り上げまぶしい白い歯が見えた。

「はぁ…いつも言ってるだろ?俺は目立つのが嫌いなんだ」

「いいじゃねえか!お前イケメンだから来てくれると助かるんだよ!」

 明人の考えはまるでクソみたいにクソだ。

 そう、おれは端から見ると顔が整っているらしい。そんなこと全く思わないんだけどね。そのせいで、女の人に言い寄られることが多いんだ。苦労してるよ。静かにしておいてほしい。出来ることなら石みたいに無視されたいもんだ。

「やめろよ。女の子をモノみたいに言うなって」

「いいじゃねぇか。減るもんじゃないだろ?妹のみみなちゃんも喜んでるぜ?」

 ふん、女なんて。

 昔付き合っていた女は俺と付き合うときに言った。「これはさだめよ」ってな。

 大事な言葉に「よ」をつけるやつなんて信じられないね。あまりの衝撃に雷に呼ばれたかと思ったよ。

「やめろよ。俺の品位まで下がる。あと妹に手を出したらただじゃおかないからな」

「…」

「そんなんだからテストで良い点とれないんだよ」

「…ったく、さすが優等生だぜ。ちぇっ。それならゲーセンいこうぜー」

 まあそれならいいか。

 俺たちは学校をサボって下校する。道路を渡る。右左右。よし車は来てないな。

「」

「ん?」

 誰かが呼ぶ声がした。気のせいか。

 ドゴォーーン!

 次の瞬間、どこからともなく現れたトラックに轢かれて俺は死んでしまった。

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