人と比べる男
水谷一志
第1話 人と比べる男
一
私は、すぐに人と人とを比べてしまう。
しかし、それを悪いことだとは全く思っていない。
二
私は若い頃から、ひたすら人を比べてきた。
それは所得にしろそう。家庭環境にしろそう。
その他、あらゆる見方で、私は人を比べるのが好きだ。
またある人は私のことを、「変人」と言う。
しかし私はこう反論したい。
―「誰だって、多かれ少なかれ人と比べてしまう心を持っているのではないか?」と。
三
そんな私は、人と比べることで、ここまで偉くなったと思っている。
まあ、「偉くなった」と自分で言うのは語弊があるが、それなりの職にはついているつもりだ。
人の所得は?性格は?育った環境は?―ありとあらゆるものを比べて、私はここまで来た。
そしてこれからも、それは変わらない。
私は、これからも人を比べ続けるだろう。
四
※ ※ ※ ※
「ではこれより、【比較人類学】の権威、○○教授の講演です。」 (終)
人と比べる男 水谷一志 @baker_km
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます