ミッドナイト・タロットーク

ペンタクルのクイーン

細かな装飾が施された石の玉座に座る女王。サッカーボール大の金貨を両手で持ち、膝の上に置いている。

玉座の周囲には花を咲かせたツタが囲っている。

＜正位置の意味＞

地に足の着いた考え方をする人、指導者的立場の人、包容力のある人

＜逆位置の意味＞

神経質な人、損得勘定で動く人、社会性に欠ける人、自立できない人

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　ジューシーな香り漂う紙コップの容器とカードをテーブルに置き、今日も深夜の勉強会を始める。

「ペンタクルのクイーンは家族や周囲の人間に対して誠実に接する。包容的で保護者のように導いてくれる人物を表しているんだ」

「愛おしそうに金貨をひざに乗せているのは包容力の表れかしら」

　姉ちゃんはフライドチキンをつまんだ指をぺろっと舐める。いつもは箸かつまようじで食べるのに……それも面倒なのか。

「ペンタクルは物質的な側面を暗示するって言ったけど、クイーンは水の性質を持つコートカードだから、愛情にも作用していると思う」

　経済管理ができて責任感もあり、相手を思いやって仕事ができる。

　職場なら頼りになるお姉さんだし、家庭なら家計簿で収入支出を管理するしっかり者のお母さんと言ったところ。

「思ったけど、ペンタクルのコートカードって基本的に真面目な人たちね」

「言われてみれば……スートの性質が『地』だけに、しっかりと地に足をつけた性格が基調になってるのかも。現実的にポジティブが加われば、そりゃあ真面目だよ」

「なるほど。それが逆位置になるとペイジもナイトもさんざんな性格にひっくり返ったけど、クィーンはどうなの？」

「包容力は皆無……というか求めるタイプに逆転する。自分一人で物事を判断できなくて誰かに頼る。アドバイスをもらっても迷って、ドツボにはまっていく人」

　情を与える側から求める立場へ。まるで赤ちゃんに戻ったようだ。

「自立できないタイプって意味合いも含んでいる」

「こまった大人……世話が焼けるのもペイジやナイトの逆位置と一緒ね」

　姉ちゃんは子供みたいに指をしゃぶっている。いつの間にかフライドチキンは全部なくなっていた。一個貰おうと思ってたのに。

※）タロットの絵柄を確認したい方はこちらをご覧くださいませ

↓ブログ「やっぱりたけのこぐらし」小アルカナ：ペンタクルの絵柄紹介↓

https://takenokogurashi.com/tarot-arcana-pentacle