「自転車」

 道路の端にある歩道と白線の間。この細い隙間を利用して移動できる。軽自動車扱いではあるものの、免許がいるわけでもない。ただ、練習が必要な乗り物ではある。用途はさまざまであり、その用途により適した自転車は多岐にわたる。



 「通学用の自転車でこんなに遠くまで来たのか。」

ライダースーツのような服装をした自転車のおにぃさんに声を掛けられる。

「長いこと使ってるんで。遅いですけど、愛着あるんですよね。」

遠距離を移動するための『ロードバイク』なる自転車の存在は知っている。

だが、この家が田舎なのでロードバイクは珍しがられて町を抜けるまでにかなりんp時間を要する。そのため、通学用の自転車の方が町を少し離れる程度なら早いのである。

「君、自転車好きならぜひロードバイク乗りなよ。もっと遠いところまで行けるようになるからさ。それじゃあ。」

そういって、自販機で買ったスポドリ(俺の)を飲み干し、彼は立ち去った。

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