「アニメ」

 「はぁ~( ;∀;)やっぱり神なんだよな~。」


 「・・・何の話?」

 彼氏の家で私は急に、ではないけど、モニターの画面をみてずっと一人事を言っていた彼がようやく現実こっちに戻ってきた。そう期待していたのだけれど・・・


「もちろん。かの名作、いいや神作についての感想だよ。やっぱりこの作品は俺の原点にして頂点なんだよ。見ればわかるんだけどなー・・・」


「はいはい。見ればわかるね。わかりますね。」

 私だって後ろで見ていて少し感動を覚えた。でも、今日は久しぶりにあったのに、私よりアニメを取るなんて・・・ちょっとひどい。いや大分ひどい。


「なんか怒ってる?俺またなんかやらかしたかな。」

 こういうところは敏感に察すするくせに・・・こういうやつを素直に憎めないのは私の悪い癖なんだろう。


「別に怒ってないよ。怒ってないですよーだ。」

 わざとアニメにでてくるようなセリフをそれっぽく言ってみた。


「それは困ったなー。」

 そんな可愛げのある笑い方をされたらこれ以上困らせるのは忍び泣く感じてしまう。



「あ、そうだ。明日も休みだからどこか行こうよ。遊園地はこの時期あれだから、キャンプでも。学生の時みたいにさ。」



 私はこういう変に勘のいいところを見ると天然を疑ってしまうけど、この4年の付き合いでそれはないことを知っている。だから


「うん。いいね。じゃあ、ランチは任せて!!」


 こうして彼を喜ばせてあげたい。私が彼の一番になりたいから。


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