「からあげ」

 今日のメニューは実家から送られてきた冷凍のタコをご飯に乗せ、スーパーで買ってきた鶏の甘辛揚げ。というかなりヘビーな者だった。


 一人暮らしを満喫している俺は自炊が苦手だ。だから、簡素なメニューになることが多い。炭水化物と揚げ物という組み合わせは栄養面、色味、味がよろしくない。栄養面の偏り、色の寂しさ、味はタコと鶏がつばぜり合いを繰り返し、タコが競り勝った。



 しばらくすると、胸焼けが起きた。分かっていた。俺にとってこのメニューは重量級だ。舌も胃も胸もいっぱいだ。



 唐揚げ自体、サラダなしで食べるのは、胸焼けになるのは確定だ。だから、唐揚げには千切りキャベツがついてくるだろう。しかし、激安スーパーではその限りではない。重きを安さに置いたスーパーは体の影響より安さに重点を置くのだ。



 私はこうなると分かっていたのだ。だが疲れた体には唐揚げとビールがあうのだ。居酒屋気分を味わいたい、その思いで唐揚げを買ったのだ。だが、私の家にはビールもサラダもなかった。



 ただ、それだけなんだ……


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