「すもう」
すもうと言えば若い、いや幼い頃から親しみがある。
競技ではなく遊びとして嗜む人が多いだろう。取っ組み合いの喧嘩が1つの競技のようになるのだ。競技を考える人はとてもユニークだ。喧嘩のような喧噪をどうせなら楽しもうとする。その心意気は素晴らしいし私もそうなりたい。
私は兄弟がいたため居間でよく取っ組み合いの喧嘩をした。ほんの些細なことで始まる喧嘩はいつしかすもうで決着をつけるようになった。私は弟だったのでもちろん体格的に劣っている。けれど、勝率は5分より少し落ちるくらいだっただろう。相撲は上手く動くことができれば、体格はあまり関係無いと思う。土俵から追い出せば良いのだから押したり引いたり駆け引きが面白いスポーツだからだ。
家で相撲ができるような場所はない。子供の体格だから出来ていた。取っ組み合いの喧嘩も何年もしていない。いやもう出来ない。あんなに大きかった居間は、もう狭い。
そんな寂しさが僕を包んだ。
「・・・・なーにひったってんだよー」
背中をばちっとたたかれ、思い出から現実に帰ってくる。
「相撲やらね?公園にでもいってさ。」
丁度審判になれそうな、仕事さぼってた後輩を連れて行った。
「よーし、いっちょ投げ飛ばしますか。」
「猫だましとかすんなよ。」
こういう時の穴は友達が埋めてくれるもんだと心底おもった。
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