「さけ」
疲れたときにどのように体を休めるだろうか?私はひたすらに寝る。時間の許す限りに。そうすることで心と身体のコンディションを整えるのだ。だが、今日に限ってはそうではなかった。
いわゆる飲み会というやつだ。アルコールの力を借りて普段言いづらいことをぶちまける。ただ、ある程度の節度はやっぱり必要で。中には酔い潰れてしまう人も。私はアルコールには多少の心得があるので、周りに煽られて自分のペースを崩されない限り潰されることはない。
しかし、今日に限って私は潰れてしまった。いや、潰されたと行って良いのかもしれない。気がつくと知らない天井。そして、知らないベットで……私が心の中であたふたしていると不意に良い匂いが鼻を燻る。これは味噌汁か?
「あ、先輩起きたんですね。」
見ると受付の娘がいた。ラフな格好ではあるがだらしないと感じない。
「昨日のこと覚えてます?私のこと好きなんですか?」
受付の娘の目は、まっすぐに私の瞳を捉えていた。
「あー、えっと、酔い潰れて覚えてないんだ」
一目ぼれと言う奴なんだが……
朝食の世話をしてもらい、私は彼女の家をでた。
「今度お礼に何か渡さないとな。」
これが妻とのファーストコンタクトだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます