短編集 投稿

「てれび」

　今日は珍しく休みが取れた。いわゆるブラック企業というわけでは無い・・・

　ここ最近担当のプロジェクトが忙しく、土日もそればかり。

　そんな中しばらく構えなかった娘と外で遊びたい！！と思ったのだのだが、生憎の空模様。そこで一緒に子供向け番組を見ることになった。妻は日頃の家事を労うためエステに行かせた。疲れているのは自分だけではないことを忘れないことだ。

　たくさんの子供たちが体操のお兄さんと踊っている。俺はこういったものに疎いが娘はきゃきゃしている。楽しそうにくるくると踊っている。微笑ましい。するとこっちに駆け寄ってきて「お父さんも」と小さい手で握ってくれている。私はそんな娘とともに疲労のたまった体に鞭を打ち一緒に踊った。

　踊り疲れてしまった娘を私は寝室に運び布団をかぶせる。私が立ち去ろうとすると娘は私の裾をつかんで寝てしまった。私も疲れを思い出したように娘よりも大きい布団ですやすやと寝息をたてるのだった。