私のお母様は婚約破棄される~そして、私は彼をとる~
一ノ瀬 彩音
第1話 お母様
私事、
娘がいまして、娘と二人暮らししているのです。
娘の名前は
年齢20歳で大学生です。
私自身は40歳でどうしようもない母親ですけれど、春音には
私のようになって欲しくないというのが現状です。
春音から父親が欲しいという事で私は恋愛出来るように
頑張っているけれど、なかなかお相手が見つかりません。
そんな時、私が困っていると素敵な男性が私の目の前に
現れて私はすぐに男性に思いを伝えると、男性は私と
お付き合いしてもいいって言ってくれて嬉しいのです。
男性のお名前は
年齢28歳で近藤家の御曹司です。
私は御曹司という言葉を聞いて驚いているのですけど、
それでも私は勇さんと幸せになるんだって決めました。
そこで私と勇さんはデートする約束してから別れるのです。
私は自宅に到着すると娘である春音が声をかけてくるのでした。
「お母様、恋愛出来る人は見つかったの?」
「ええっ、見つかったわよ」
「それは良かったね♪」
「そうね」
「どんな人なの?」
「私より若くて王子様みたいな人よ」
「お、王子様?」
「王子様ね」
「今度、機会があれば紹介してね」
「ええっ、機会があればね」
「それにデートの約束もしているの」
「お母様すごいじゃないの」
「ふふっ、本当に楽しみだわ」
「そうだよね」
後日、デートを約束した日、私は寝坊して待ち合わせお時間を
大幅に過ぎてしまってどうしようもなくなると、私はとりあえず、
待ち合わせ場所に行きますが、当然の事ながら、勇さんは居なくて
私の恋愛は終わりかなって思っていると、後ろから声をかけられて
私は振り向くと勇さんが立っているのでした。
私は勇さんに近寄ろうとすると勇さんが大事なお話があると言って
私が近寄ろうとするのを止めてくるのです。
「美弥子さん、お話がある」
「は、はい、何でしょうか」
「俺と婚約してくれませんか?」
「婚約…………」
「はい、婚約です」
「私でいいのですか?」
「はい」
「喜んで」
「ありがとうございます」
私と勇さんは婚約するとそのままデートしているのですが、
何かおかしいなって思うのです。
勇さんは私とのデートを楽しんでるようには思えません。
先程、私と婚約してくれた勇さんは喜んでくれたのに
今は気まずい雰囲気です。
これはどういう事かなって私は聞いてみる事にします。
「勇さん、デート楽しくないですか?」
「そんな事ないですよ、楽しいです」
「そうですか」
「はい」
「さっきからスマホばかり気にしててデートに集中
してないですよね」
「バレてしまいましたか」
「バレる?」
「はい、バレた」
「何がバレるのですか?」
「実はですね、婚約したと思いますが、
いきなりですが、婚約破棄させてもらいます」
「いやっ、どうして…………」
「すいません、別に大好きな人がいまして」
「そうなんですか」
私は婚約して間もないのに婚約破棄されてしまうと、
相当ショックでどうにかなりそうでした。
そこで私が勇さんの目の前から消えようと何処かに
行こうとしていると、聞き覚えがある声が聞こえて
きたので振り向くとなぜかそこには春音が居ました。
私は腹が立ってくると春音に近づいてこう言います。
「どうして春音がここにいるの?」
「どうしてって私と勇さんは恋人だからよ」
「こ、恋人………………」
私が婚約破棄された理由って私の娘である春音と恋人
だなんて信じられない。
こんな事はあってはいけないのよ。
誰か嘘と言って欲しいです。
「お母様、どうしたの?」
「ご、ごめんなさい」
「ねぇ、お母様見ててね」
春音と勇さんは私に見せつけるようにキスしているのですけど、
そのキスが濃厚で私にはつらいです。
「どうだった? お母様」
「二人ともそこまでの仲なのね」
「うん」
「そういう事なのですいません、美弥子さん」
「わかりました」
春音と勇さんは私の前から消えてきっとデートでもしに
行ったのでしょう。
取り残された私はどうすればいいのでしょうか。
結局、私は婚約破棄されて娘である春音は幸せを手に入れた。
こんな屈辱は初めてでこの気持ちを何処にぶつければいいのかも
わからないので困っている。
私の恋愛って何だったのかなって振り返ると、春音が父親が欲しい
という事で恋愛頑張っていたのに、お付き合いしていた勇さんと
婚約までいったのに、それを婚約破棄されて勇さんを春音に
横取りというか、取られたという感じで情けない。
私の幸せは何処にあるのでしょうか。
本当に悲しい結末です。
私のお母様は婚約破棄される~そして、私は彼をとる~ 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019
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