僕の堕天使日記

ネットの湯

プロローグ オカルト好きの青年

カチカチ…

暗い部屋に機械独特の淡い光と、影があった。

布団を上から被り、猫背のままマウスとキーボードを動かすその姿は、引きこもりと言えるレベルに達していた。

「あっ、もうこのブログ更新されてる!…お、しかも口裂け女の情報、

更新されてるじゃん!!」

黒川結軌クロカワ ユキ。オカルトや黒魔術が大好きな、男子高校生だ。

大人からは「高校2年にもなって…」「いますぐやめなさい」などと言われる。本人は至って好きだから見ているだけなのだが、やはり人の目は痛いもので、気にしていっときやめた時期もあった。しかし半日でリタイアした。

それ程にユキは非現実的なものが好きなのだった。

いつも見ているスピリッツ伊藤のブログを眺めていると、ユキの手がピタリと止まった。

「…ん?なんだこれ」

止まったカーソルには、『悪魔可視鏡』という赤いおどろおどろしい文字が表示されていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る