だってメンタル弱いから
私はずっと前から厳しい(というか物事を重く考え過ぎる)母親に付きっきりで育てられたせいもあり(父は何故かゲームやパチンコばかりしていた)、「誰かに甘やかされること」を夢見ていた。何度も何度も叱られ続けているうちに、私は怖がりになっていき、自分と話が出来る人以外寄せ付けなくなっていった(友達を選ぶようになっていったともいう)。いじめに遭っても学校には通った(高校時代は保健室に入り浸り)し、誰かに極端な思想を植え付けられたとしても、従わなかった。私にとっては現実はあってないようなものだったから。自分の世界以外は要らないから。
母は完璧主義で、私が最も苦手とするタイプ。いじめ問題などには真摯に向き合う一方で、「普通」を押し付けるような人だ。家にいる時は無気力で、ひどく暑い日や寒い日は外に出ようとしない。家事の手伝いくらいならしようとも思うが、癪に障る声で喋る割に行動力がないので正直呆れている。学歴は高いので、頭はいいのだろう。嘘はつかないのでそこら辺は信頼できる。
周りを見渡してみると、我の強い人ばかりで社会が成り立っているように見えるのか、私は一度として甘やかされたことはなかった。私の全てを認め、私を可愛がり、私を見てくれる。そんな人が欲しかった。
人生こんな風に厳しい人ばかりの中で生きるのかな、と思っていた矢先。Twitterでメガテン大好きな人が私に声をかけてくれた。今の相方とはこの時に出会い、それからも週に一回くらいこうして会いに来てくれる。相方の手は逞しくて、あったかくて柔らかい。カエルみたいな人だが、私のいいところを沢山見つけてくれる。歳など関係ない。寧ろ年上でなければ付き合えないので、相方は好きな人。
ただでさえメンタル弱いし、得意なことも少ないのに、その上に「常識」がのしかかる。私は不利な条件が大嫌いだから、この箱庭からずっと抜け出したかった。いつでも有利でいたいし、欲しいモノは全部欲しい。なのに、現実はそう簡単にいい方向に転がってはくれない。
相方と出会う前、私には彼氏がいた。私自身はライバル兼悪友と見做していたから、彼氏とは呼びづらいが。ライバルが出来てから、どうでもいいような苦痛を溜め込むようになったように思う。アイツを捩じ伏せられるならば、私はどんなに不利でも必ず叩き潰そうと考えている。
ライバルもまた母にそっくりな思考回路の持ち主で、私の世界を「妄想に付き合えない」と言うような人物だった。現実を捨てればいいのに、と何度も思ったが本人はソレをしない。その上私がトラウマになるような話ばかり書くから、最終的には相方に乗り換えた。
今が幸せかと聞かれたら、私は何と答えれば良いのかわからない。幸せではあるが、少しの不幸はまだ続いているから。
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