何故だろう

 昔から私は人と話が合わず、流行も然程追っていたようには思えない。かわいいものが好きで、好きなものや興味があるものだけなら追い続けられるのに、それ以外のものは追いかけられない。「最新の流行は当然の把握」という人の心が理解出来ずにここまで来てしまった。

 YouTubeを何気なく漁っていたら見つけた動画によると、世の中の人は四つの層に分けられるという。IQが高くて自分の頭で考えられるのがA層。IQが比較的低めで流行に乗ってしまいやすいのがB層。IQが高くて保守派なのがC層。IQが比較的低めで保守派なのがD層らしい。人をIQで分けるのは失礼だなと思いつつも、分かりやすいなと思った。

 日本にはB層の人間が極めて多いらしく、それを知った瞬間、何故私がここまで苦しむ羽目になったのか、そして何故日本人には「普通」という病巣が潜んでいるのかが分かったのだ。それは置いておいて、コイツらを扇動して味方につけるということの凄まじさと恐ろしさは計り知れない。

 なんと言っても数の暴力なのである。盲目的に信じるようなファンは、多くいるといずれは大事な戦力になる。一人ひとりは有象無象の没個性的な人間だとしても、支持者が多いというのはそれだけでメリットになるのだ。

 そう考えると、私は多大なリスクを払ってまでファンを仕分けているともいえるかもしれない。人を選ぶというのはそういうことだから。

 万人受けする内容というのはとても難しい。私が母と見ていた鬼滅の刃ですら、合わない人には合わない(私もセリフがくどいと思ったし)が、「コレを掲げれば子どもが寄ってくる」程度には広く膾炙されている。一方でメガテンはダークで救いようのない内容だが、自分で選んだ道を信じられる人にとっては救いがある内容だと私は思っている(父「どことなくグロい」)。

 B層のまま暮らすことは、彼らにとっては然程難しいことではないのかもしれない。しかし、話の合わない人達の話を聞き続けるのは、私自身とても辛いし出来ればしたくない。それに、世の中沢山のものが売られているし、去り際に気づくものだってある。B層のまま暮らすというのは、ソレにすら気づかずに通り過ぎていくということである。

 曰く「流行は猫の目のように変わる」らしい。つまり、早送りのように入れ替わってしまうのだ。それだったら、古いものを追い続けていた方がずっといい。その方が楽しいだろうから。それに気づける人がどれ程いるのかまでは分からないが。

 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る