幸せになりたいだけなのに

私は小学生の頃から本が好きだった。いや、もっと前からかも知れない。図鑑は幼稚園の時から好きだったから。物語は字が沢山で読みたいとは思わなかったが、図鑑やら分かりやすい絵や写真が沢山入った本は昔から好きだった。

 その中の、とある図鑑(みたいなもの)の一ページにはお茶と急須、それと昔のポットらしきものが載っていたことをよく覚えている。大好きだったから。それと、人生を左右しかねない一文があったから。「朝茶はその日の難逃れ」という一文に、私は心を奪われた。それを素直に実行すれば、幸せになれると信じていたのだ。

 結果は、どうだっただろうか。あれから私は沢山の世界を知ってしまった(知らず知らずのうちに耳や目に入れたものもあるので、仕方ない)ので、欲望がどんどん膨らんでいった。憧れは嫉妬へとすり替わり、大好きなものを作るにも苦しむようになったように思う。自分から渦中に突進しているようなところもあるのだが。世界を知らない方が幸せになれたのかも知れないと、今なら思う。

 それでも知ることは大好きだから、歯止めが効かずに次のゴールへと迷わず向かっていく。それで傷つこうとも、次のステップに進むことが私の生きる道だから。

 幸せになれずとも、さまざまな種類のお茶が好きになった時のメリットは割と大きいようで(コーヒーは飲めない)、お茶は薬として日本に輸入されてきたこともあり、感染症に多少強くなった気がする。完全ではないが、耐性がないよりはマシだろう。テレビでも、お茶の効果は(どこかの大学が研究したというデータを元に)宣伝されており、ここ最近はペットボトルのお茶の需要があるのか、家の近所でも自販機のお茶が売り切れている時があった。惜しむらくは、お茶の効果を知らない人があまりにも多いということ。知っていて当然だと思っていた私は肩透かしを食らうと同時に、驚いた。

 今、新型コロナウイルスが感染拡大しているが、案外お茶は効果があると言い切れる。事実、私が今の今までコロナに罹らなかったのは、この事実を(なし崩し的に)知っていたから(だと思っている)。

 ただ、一つ気をつけて欲しいのは誤解をしないで欲しいということ。あくまでも効果があるのは、「チャ」という植物そのものから作られたお茶であり、それ以外はあまり効果がない可能性があるということ。

 長々と書いてきたが、酒ではなくジュースやお茶ばかり飲んでいる理由を正当化するにはこれくらいしかないのもまた事実。生暖かい目で見守って欲しい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る