私が見たネタコマーシャル

 テレビコマーシャルが流されている時、大体の人は「邪魔だな、早く終わらないかな」と思うだろう。私も同感だが、コマーシャルの中には見ていて楽しいもの、後々までネタにされるものがいくつか存在する。ホットペッパー(実際、ネタにされまくっていた)やハッピーセットのコマーシャルがいい例だろう。何だかんだで愛されたコマーシャルもある。

 まだ嵐が解散せずに、あちらこちらで引っ張りだこで、国民的スターだった頃に放映されたポッキーのコマーシャルがあるのだが、長くても一分という短い時間の中で、二宮和也さん演じる強欲な男が、ある朝目覚めると悪魔になっていたというそのストーリーは、見る者を釘付けにしたことだろう(地味にポッキーのCMとしては成立しているから恐れ入る)。嵐のファンは勿論、老若男女関係なく「あの人みたいにポッキーを誰かとシェアしたい」と思ったに違いない(ちなみに私はポッキーよりトッポ派)。しかし、このシリーズも完結を迎え、今では人々の思い出として風化しつつある。インターネット上では完結に際してか、投票(救いますか、救いませんか的なやつ)も行われたようで、このコマーシャルは一時的にではあるが、一大コンテンツとして全国に広まっていったのではないだろうか。

 上ではイメージキャラクターも相まって、成功した例を挙げたが、逆に失敗した例もある。今はネットで誰か分からない人が、好きなだけ書き込めてしまうので簡単に炎上してしまうし、それ以前にもクレームが来て、放送中止を余儀なくされた例もあった。不気味なコマーシャルや、ホラーめいたコマーシャルなどがいい例だろう。都市伝説めいたコマーシャルだって中にはある。

 と、ここまで書いてきたがぶっちゃけコマーシャルは全国に名前が広まって、製品が売れればそれでいいのだ。しかし、だからこそ様々な分野において趣向を凝らしたコマーシャルが流されているのだろう。最近では動画配信サービスでも広告が流れてくるが、それらはプレミアム会員になれば広告なしでスムーズに視聴できるようだ。とはいえ、ああいった類の広告は、何故かハズレが多いし鬱陶しい気がする。ラジオの広告(音声だけとはいえ)もそれなりに面白かった分ガッカリさせられた。なんというか、インパクトに欠けるのだ。やはりコマーシャルはテレビやラジオの方がしっくりくるのだろう。

 もしかしたら、いずれはコマーシャルがない世界が実現するのだろうか。だとしたら、それはそれで寂しい。

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