リンキングオブクリスマス〜クリスマスはいつも誰かと一緒〜

 どうも私はクリスマスを一人で過ごすことが出来ないらしい。というのも、ほんの二、三年前までは祖父母、いとこらと過ごし、ここ数年は友人(地元の、異性の)と過ごしているからである。クリスマスは何故か大体誰かと過ごすというのが、私の中では定番になっているような気がしてならないのだ。

 幼い頃から私はクリスマスを祖父母と過ごしたのは前述の通りだが、その時は沢山のご馳走(コストコで購入したものもあれば、行列に並んで買ったというケーキ、果てはどこからともなく送られてきたフルーツが食卓に並んだ)と一緒に、お菓子がたくさん貰えたことをよく覚えている。クリスマスツリーもリースもなかった(一応忘年会も兼ねていた為だろうか?)が、楽しい時間だったことはよく覚えている。クリスマスプレゼントにメラミンカップをそれぞれもらったこともあったし、お菓子は私を含めたいとこたちに均等に配られた覚えがある。しかし、今年は違うということは肌で感じ取っていた。

 大部分の人がコロナ禍で不用意に外に出ることが出来ず(学生で一人暮らしをしている人の中には帰れなくなった人もいると聞く)、その上インフルエンザの患者数も増えてきた所為で都市部はコロナの嵐ときた。地方はまだそんなでもない可能性はあるが、このまま都市部から感染者が避難してくればいずれ都市部と同じようなことになるのは容易に想像がつくだろう。その為、自然と一人でクリスマスを過ごす人が多くなる可能性があるのだが…。ただ、スーパーの品揃え(クリスマスブーツが普通に売っていた)は例年通りだったこともあり、余程豪勢なものでなければ家族で祝うことは可能だろう。

 例年、私の祖父母の家では贅を尽くしたとまではいかないものの普段からは考えられないご馳走が沢山並ぶ。刺身(大トロ込み)の時もあれば、パエリアの時もあった。子どもチームと大人チームでは食卓が分かれており、子どもはちゃぶ台で食事をとっていた。温かく、楽しいひとときだった。

 少し前に、ネッ友(という名の悪友でありライバル)が「今は経済的にもクリスマスを祝う家庭は少ないと聞く。だからその時を大事にして欲しい」ということを言っていたが、私は一人でクリスマスを過ごしたことがないので分からなかった。今もそうだ。クリスマスを一人で過ごすのはそんなに辛いことなのだろうか。そのネッ友は実質一人暮らしであるためか、誰かと過ごすクリスマスに憧れを持っているようだったが。

 私も一人暮らしをするようになったら、誰かと一緒に過ごしたクリスマスを懐かしく思うようになるだろうか。あの時は恵まれていた、と思うのだろうか。

 

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