湯たんぽといっしょ

 最近は恐ろしく寒い。加えてコロナ禍のせいで自由に外にも出られないという有り様である(外に出られない理由の9割が寒さなのだが。また、私の場合、出られたとしても隣町までがせいぜいである)。昼はまだ陽の光が差し込むからいい(コレが曇りだったら布団から出られなくなるが)。問題は夜で、湯たんぽが無ければ寝ることすらままならないレベルなのだ。その為、ソレを寝る前に布団の中に押し込み、寝る時も温まるまで抱くという生活をもう何度も繰り返している。湯たんぽの中身は二十四時間周期で冷めるので、冷め切る前に中身を入れ替えている。そうすることで温かいまま眠れる。

 何故湯たんぽを布団の外では使わないのか。それは、冷めるスピードが早い(と思われる)ことと湯たんぽは布団の中で使うことが正しいのだと思っているからである。実際、椅子や床では膝掛け一枚でカバーしているがそれでも寒い(暖房は付けているが、弟の部屋から風を通しているのでやはり寒い)。あまりにも寒いので、午前中は布団の中ということも珍しくはない。ついでに私の家は非常に古いので、隙間だらけというのもある。ライフラインの一切が無ければ廃墟となっていただろうことが容易に想像できるレベルで寒い。

 私自身、できることならば他所へ引っ越してしまいたいところだが、今の家はちゃんと自分の部屋がある(四畳半だがコレで充分だ)ので、コレで妥協している。また、周辺へ行くときは歩くか自転車を使うだけで済む(遠くへ行くときは電車)ので、それも理由だろうか。とはいえ、寒いのは本当に勘弁してほしいというのがホンネである。

 湯たんぽを使うときに、火傷しないのかと言われるが専用のカバーがあるので今のところそれはない。むしろ危なっかしいのは、湯たんぽにお湯を注ぐときであり、このときばかりは私自身もかなり警戒している(それこそ、ナベ掴みを着用するレベル)。ポットのお湯ではなく、ちゃんと沸かしたお湯を使わなければならないので、私自身かなり面倒くさいと思っている(使わなくていいなら早々にそうしたい)。ついでに沸かすときには吹きこぼれるときがあるので、コレにも気をつけねばならない。

 こうした試練を潜り抜けてから、漸くあったか湯たんぽが出来上がる。布団の中が温まるにはもう少し時間がかかるが。それでも、寒がりな私にはコレで充分である。そして、翌日の夜もそのまた夜も寒さが続く限りは一連のルーティンをしなければならないのはちょっと憂鬱である……。

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