第12話 ゴミの分別
「あなたは、ちゃんとゴミの分別をしますか」
「な、急に何を言ってるンだ。ゴミなんか知るか」
吐き捨てるように言った。
「でしょうねェ。燃えるゴミの日に、あんな特殊な金具を捨てちゃヤバいンですよ」
「くゥ」かすかに清間の顔色が曇った。
着信音がし、クリスが画面を確認した。
「フフ」ニコッと俺に微笑みかけた。
俺も頷き、微笑んだ。
「どうやら鑑定結果が出たようだ」
「な、何、鑑定?」
「もう逃げられないぞ❗❗
鳴かぬなら裁いてくれようホトトギス❗
天に代わって、お前の悪事を」
「な、何 😳💦」
「あなたはイブの首に形状記憶合金を巻き付けて殺害したンだ……」
「う……❗❗」図星のようだ。
「バスタブに半分ほど湯を入れ、イブをそこに寝かせ、首に形状記憶合金を巻き付けて湯を足して去った」
「ううゥ……」
「あなたはここに来てアリバイを作っている内に湯は首元へ達し、形状記憶合金が絞まりイブは窒息したんだ」
「ぬゥ」
「あなたは、その合金を外し公園のゴミ捨て場に捨てた。だけど、その朝は燃えるゴミの日だったんだ❗❗」
「ううゥ……」
「そ、だからその合金はゴミ収集車に回収されず、町内会のオバ様の手元に残ったの」
クリスが加勢した。
「ぬゥ」
「その形状記憶合金からイブのモノと思われる皮膚片が検出されたんだ」
「それから捨てる時、あなたの指紋もついたの❗ もう逃げようがないわ❗❗
大人しくしなさい」
クリスは手錠を取り出した。
「くゥ」
諦めたのか、清間はガックリと肩を落とした。
程なく捜査員の志村らがクラブへ現われ、清間を逮捕した。
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