第11話

「確かに、あなたの十二時前後のアリバイは確認できた。だが……」


「なんだ」


「その前後は、どうです❗❗」

「な、前後。そんなの関係ないだろ」

 急に顔色が変わった。


「いいえ、大いに関係あるんだ。

 あなたは、まずあの日、非常口からイブの部屋へ訪れたンだ。もちろん防犯カメラに映らないようにね」

「……」


「その後、イブに睡眠薬入りのワインを飲ませ眠らせた。そして湯がまだ半分のバスタブに寝かせた」


「し、知らない。そんな事は知らない❗

 早くそいつを摘まみ出せェ」

 清間は大きな素振りでガードマンに命じた。


「フフ、邪魔をするな。

 もうじき警察が来る❗ 大人しく聴け」

「な……」


「そして寝かせたイブの首にを巻きつけ湯を出しっ放しにしカメラを設置して様子が見られるようにした」


「ある❓」高司梨々香が聞き返した。

「ええ、今、鑑定に出してます」

 クリスが応えた。


「その後、なに食わぬ顔で、パーティ会場へ戻りカメラの様子を確認しながらアリバイを作ったンだ……」


「はァ~、そんな都合良くいくか」


「そして、イブが亡くなったのを確かめたあなたは、とカメラを回収し、彼女のスマホを使い、馬場アキラにラインを送った」

「フン」清間は、そっぽを向いた。


「こうして、あなたが立ち去った後、いそいそとやって来た馬場アキラが、バスルームでイブの遺体を発見した❗ どうです」


「フン、下らない。それで、どうやって殺したッて言うンだ」

「往生際が悪いな」


「な、何の証拠も無しに俺を容疑者扱いか。

 それでもお前は弁護士なのか」


「もちろん証拠はありますよ。

 ぶっちゃけましょうかァ」


「な、何ィ?」

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