日常に帰るにも準備がいる
12/30 07:20
「変態」
第一声、これはどうなんだろう、何て気持ちも心の片隅にあった。けれどそれで片付けられない気持ちが大きかった。
「春君の変態、スケベ、変態」
「いや、ちょっと待ってちょっと待ってくれ」
「向こう向いててくださいスケベ!」
振り向こうとした幼馴染に強い声を飛ばして大急ぎで衣服を身に着ける。
「よりにもよってそこを触らなくてもいいじゃない」
そうブツブツと聞こえるように口に出してウェアのジャケットを羽織った。
最後にブーツを履いて、深呼吸。
「いいよ、着替えたから」
窺うように振り返る、その姿を見てほっとして涙が出た。一度流れ出すと涙が止まらず涙に押されるようにしゃくりあげた。
「なんで泣くんだよ」
「何が自分が下りる方が成功率が高いだ、馬鹿!」
近づいて来た彼の胸を叩いた、何度も叩いてるうちにおっかなびっくり抱きしめられて、少しだけ涙の勢いが弱まった。
深呼吸。二度三度と繰り返して涙が止まった頃に彼を見上げてこう告げた。
「話さなきゃ行けないことがいっぱいあるよね」
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