第25話 絶望の試合
司会者「それではテスト開始です!」
司会者の掛け声と共に、田中と鈴木は目の前の白紙のテスト用紙をめくり問題に目をやる。
その様子をそれぞれ無言で見つめる八木教授と新海教授。
問題を見た瞬間田中は絶句した。
問題が全く分からない…
一週間死ぬ気で勉強したのに完全にヤマを外した。
ペンを走らせ、スラスラ問題を解いてる鈴木を横目に田中は絶望した。
田中の脳内は諦めモードに入ってしまった。
無理だ無理だ無理だ無理だ無理だ
ペンの動きも止まり、テスト用紙は白紙のまま、無情に時間だけが過ぎていく。
司会者「さあ!30分経過!残り30分だ!」
田中「!!?」
司会者の掛け声で田中は現実に戻された。
もう、そんな時間が経っていたのか…
いまだに田中のテスト用紙は白紙のまま。
そして追い討ちを掛けるように鈴木はペンを置き
鈴木「すいません。問題解き終わったんで途中退出希望します。」
田中「!!?」
司会者「分かりました。途中退出許可します!」
鈴木は席を立ち、田中に目をやり、戦場から去っていった。
鈴木が去る際に、田中を見たとき、ニヤリと笑った鈴木の顔を見た。
田中「もう、無理だ」
田中は両手を頭に抱えて、机に突っ伏して呟いた。
完全に負けた…
八木教授の隣でその光景を見ていた新海教授は笑いながらささやく。
新海教授「完全に俺たちの勝ちだな!革命教授さん笑」
その言葉を聞いても八木教授は無言で田中を見つめる。
以前、机に突っ伏してる田中。
司会者「さあ!残り時間20分だ!」
その言葉を聞いても、田中は現実に戻らない。
そして、遂に、八木教授は椅子から立ち上がり、戦場の田中に叫んだ。
八木教授「いつまで寝てんだ!起きろよ!手を動かせ!」
八木教授の叫びを聞き、田中は現実に戻される。
八木教授は更に叫ぶ。
八木教授「ラスト20分!てめえの死ぬ気でやった一週間俺に見せつけてみろ!」
その言葉を聞き、田中の脳内で言葉がグルグル回りだす。
田中「僕がやった…死ぬ気の一週間…」
新海教授はそんな八木教授の様子を見て笑い出す。
新海教授「何が死ぬ気の一週間だ!もう、残り20分切ってんだよ!もう、完全に負けだよ!」
その言葉に対し、八木教授は新海教授を強く睨み言い放つ。
八木教授「いいから黙って見てろロボットマン。ここからが本番だ」
つづく
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