第22話 負けたら土下座のお茶の間を巻き込む勝負が始まる!


田中「あんたについて行こうとしてた僕がバカだった!!」


雨が降りしきる公園、僕は崩れ落ちた体から振り絞った力で拳を地面に叩きつけた。


目の前にいる背を向け立ち続ける白衣の男は、何も反応しない。


田中「何が楽しく東大に受かるだよ!何が受験革命だよ!夢なんて見なければ良かった!あんたの言葉なんて信じちゃ行けなかったんだ!」


再び僕は、拳を地面に叩きつけた。


白衣の男は、それでも反応しない。


僕は、顔を上げ、白衣の男に向かって言う。


田中「東大受験辞めます。短い間でしたが、夢を見させていただきありがとうございました」


僕は、溢れ出る感情を抑えきれず、その場を走って逃げた。


白衣の男は、走って逃げた少年に見向きもせず、ただ、背中を小刻みに振るわせていた。


雨はまだ、止まない。


ー1週間前


テレビスタジオにて、番組の企画として司会者が提案した一週間後にテレビ番組内にて、東大模擬テスト対決。


それを聞いた八木教授と新海教授はお互いに睨み合っていた。


新海教授「ふん。この公共の場を借りて遂にイカサマ野郎を潰せるのか」


八木教授「いやー。やっと、このロン毛野郎の昭和感溢れるスパルタ教育がもう時代遅れだってお茶の間の人達に公開土下座させられるのかー。一週間後が楽しみだなー」


新海教授「くそが。今のうちに言ったろ。結果が証明するさ。で!司会者!一週間後の対決の模擬テストの教科はなんだ?全てか?」


新海教授は、司会者の方に顔を向ける。


司会者「模擬テストに全ては、番組の尺的に難しいんで、とある一教科での点数勝負とさせてもらいます。」


新海教授「ほう。その教科はなんだ?数学か?」


司会者「記憶力、思考力、読解力、ヒアリング力を必要とする教科、英語で勝負としましょう!」


新海教授「くくく。英語と言えば、長年の積み重ねが必要とされる。今回の勝負勝ったな」


八木教授は、人差し指を左右に振る。


八木教授「ちっちっちっ。そんな古臭い考えじゃ通用しないよ新海ちゃん。所詮この勝負は東大合格の踏み台に過ぎないしー、革命的教育の起爆材にでもさせてもらうね」


新海教授「絶対にお前を潰す」


八木教授と新海教授がお互いに煽り合い、睨み合う中、僕はそのプレッシャーに蹴落とされそうとしてた。


新海教授の隣に座っていた僕と同じぐらいの年齢の少年、鈴木は僕を睨みつけて呟く。


鈴木「あのクソ教授の弟子でしょ。この勝負余裕だな」


その言葉を聞き、僕の中で何かが吹っ切れたのか、頭の中に浮かんだ言葉をとっさに鈴木に叫ぶ。


田中「一週間後の勝負で完全に潰す。負けた方が土下座な!」


こうして、一週間後に控えた、テレビで全国公開される絶対に負けられない戦いが始まった。


つづく


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