01 かつての少女



 かつての少女は誰からも愛される存在だった。


 生まれた時には生誕を祝福され、常に家族や友人など周りの人から愛されて生きて来た。


 それは、聖女としての才能が芽生えた頃からも変わらなかった。


 周囲の人間は、芽生えた少女の力を疎むでも貶すでもなく、ただ惜しみない愛と祝福を与え続けた。


 そんな少女が国中の人から愛される事になるのは必然の事だった。


 聖女としての力を振るい、悪しきものを浄化し、人々の傷をいやす少女は、またたくまに有名になり、多くの味方を作った。


 国の王様よりも、聖女の味方をするという人が現れるほどだった。


 しかし、だからこそその少女は破滅する事になってしまったのだ。


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