05 貴族たち



 この町には変わり者の貴族がいる。

 そいつは奴隷を買って、普通の人間と同じように扱っているという。


 奴隷に愛情を注ぐなどありえない。

 貴族がそんな事をしていいはずがない。


「誰もがみな平等。人はみな同じ」


 だ、などと。ふざけている。


 そんな事をしたら、他の奴隷たちも「自分達も人間の一人だ」と思い上がってしまうではないか。


 だから、私達はその貴族を正義の名の元に裁く事にした。


 我々の国では、炎は罪や汚れを清める、聖なる光。


 本当に正しい物なら、炎の中でも生き延びられるはずだ。


「さあ、火を放て! 油を投げこめ!」


 どうせ、そうはならないだろうがな。


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奴隷に優しいご主人サマ 恋の雪 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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