転生した世界の図書館で世界一の魔法使いになったが本を読ませてくれ!
鬼灯 一夏
1、転生問答
俺は死んだ。 目を開くと、目の前には神様がいて異世界転生の権利とギフトをくれると言ってきた。
「俺が行く異世界ってのはどんな世界だ?」
生前いた世界では広くンタジーと呼ばれる部類の世界だと答えた。 魔法なども使えるらしい。
「ギフトっていうのは能力じゃなくて、未来を決めたりとかできるのか?」
神様は頷いた。
「じゃあこうしてくれ。 能力も何もいらない。 その代わりに俺を本だらけの生活にしてくれ」
神様は怪訝な顔をしたが頷き、ブツブツと何かを唱え始めた。
世界を救う勇者も偉大な魔法使いもまっぴらごめんだ。 俺が新たな世界で望むのは平穏な読書ライフ、ただそれだけ。
朝は好きな時間に起き、寝落ちして途中までしか読めなかった昨晩の本を読む。 一区切りついたら朝食を食べ、終わりまでしっかり読み終える。
昼は行きつけの本屋で新刊を見て、気になる本があれば買う。 軽食をつまみながらインクと紙の匂いを楽しみながら開き、日が暮れたら本を閉じる。
夜はお腹いっぱいになるまで食事し、片付けをしてから身を清める。 枕元のランタンに火を灯したら眠くなるまで本を読む。
あぁ新世界読書ライフ……。 生前叶うことのなかった最高の生活を老衰死するまで続けようじゃないか!
「あ、性別は女で頼む」
神様は目をカッと見開いて、俺を新たな世界へと送り出した。
期待に胸を膨らませていた異世界転生。 しかし蓋を開いてみれば俺が想像していたのとはまるで違う異世界ライフが口を開いて待っていたのだった。
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