第73ターン まな板の上の鯉
「……ク……クラッド、さん……?」
(せ、背中に、クラッドさんの、重み……。少し、濡れてて……だけど、温もりがあって……ちょっと、硬くて……え? こ、これ、クラッドさんの肌の感触っ? ク……クラッドさんも……裸っ……!?)
裸の自分が裸のクラッドに後ろから抱き寄せられている現状を認めて、オルファリアの頭は混乱を、体温は急激な上昇を開始する。
(な……何で……これ、一体どういう事態っ……!?)
「あ、あのっ、クラッドさんっっ……!?」
「……ちぃと
(そ、そういう、こと……?)
水に濡れるなどして身体が冷えた時、裸になって抱き合い、お互いの体温で暖を取るというのは緊急時の対処法として間違ってはいない。今のこの状況においても、採用するのは決して誤りではないだろう。……誤りではない、のだが――
「――ひゃんっ!?」
「どうかしたか、オルファリア? 可愛い声上げてよ?」
「か、可愛っ……!? だ、だって、クラッドさんの、手っ――んんっ……!?」
オルファリアの戸惑いも当然のことだった。クラッドの両の手は、オルファリアの剝き出しの両の乳房へ伸びていたのだから。見事な玉ねぎ型の膨らみ二つが、下方から持ち上げられるように撫で上げられる。
「ぁんっ……!」
プルンッと弾んだそれの揺れが、直後にクラッドの手のひらで抑え込まれた。
「ぁ……ぅんっ……やっ……ク、クラッドさんっ……! 何を――ひゃっ……!?」
流石に、オルファリアもこの流れはおかしいと、クラッドの腕から逃れるべく身を捻ったが――彼の唇に首筋を吸われ、脱出は中断してしまう。そうして生まれた隙を突き、クラッドの両手の五指は本格的にオルファリアの豊乳へと喰い込み始めた。
「やっぱ、なかなかデケェな、オルファリア。指の間から柔肉がはみ出してくるぜ……」
「やぁぁっ……ク、クラッドさんんっっ……!?」
クラッドに耳元で囁かれ、オルファリアは反射的に自身の胸元へ視線を向けてしまう。……彼女の視界に飛び込んできたのは、クラッドの掌中で変幻自在に形を変化させられる己の双乳であった。綺麗な玉ねぎの如き形状だったそれが、時に瓢箪のようにくびれさせられ、或いはパンケーキのように潰され、弄ばれている……。
「あ、あっ、ぁんっ、ぁあっ……!?」
(やぁっ……!? 痛……くはないけどっ……くすぐったいのとも違う、変な感じっ……!)
胸部の実りをパン生地のようにこね回されて、オルファリアはその部位が熱を帯びていくのを自覚した。まさに、練られたパン生地が醗酵していくように……彼女の乳肉はやや膨らんで張りを増してきている。特に顕著なのは先端部で、小粒なピンクのマカロンの上に
「パフィーニップルってヤツだな。エロいぜ……オルファリア」
「やぁぁぁっ……! ク、クラッドさんっ、そんなこと、言わないで下さいっっ……!!」
「何でだよ? オレはこういうの、嫌いじゃねぇぜ。ほらよ」
「ひゃふっっ……!?」
――その瞬間、当のオルファリアの乳峰の頂をクラッドが指先で弾いた。電撃の如き衝撃に少女の背筋が弓のように反り返る。反動で天を向かんとした二つの乳山の頂上は……そうなる寸前に、クラッドの両手の親指と人差し指にそれぞれ挟み止められた。
「そら、クリクリ……ってな」
「ひゃぅっ!? ひゃ、ひぁぅぅぅぅっっ……!?」
オルファリアの胸部連峰の天辺で、充血して硬くなった部分が余計にそれを促されるように捻り回される。
(っ、ぃ……痛いっ……けどっ…………痛いっ、けどぉっ……!!)
「……っ……んっ……!! ……っっ……んんっ……んっ、ぁ……っ……❤」
痛痒と同時に、砂糖を溶かしたような刺激がオルファリアを襲う。彼女の噛まれた唇の隙間から甘い吐息が零れてきた。
その吐息の甘味を増大させんとする風に、クラッドの指先がオルファリアの薄紅色の突起をコロコロと転がしていく。
「……ぁ……何、でっ……こんなぁ、ことっ……ク、クラッドさぁんっ……んっっ……!?」
(さっきまで普通に話してたはずなのにっ……!? どうし、てっっ……!?)
「オマエが悪ぃんだよ、オルファリア」
究極の困惑にあるオルファリアの耳たぶを甘噛みしつつ、クラッドはやや苛立った声を彼女の耳孔へ落とし込む。
「……ああいう形でファーストキスを頂いちまったのは悪ぃと、そこは本気で思うがな……。そのことでああもヘコんだ態度を取られると、オレも男としてプライドが傷付くんだよ。……メイリンへの義理もあるんで今回はやめとこうと、一応思ってたけどよ――気が変わったぜ。キス以外にも色々と教えてやる、オルファリア。オレが初めての相手で良かった……そう、心から思えるようにしてやんよ」
「ぁひゃぅっっ!?」
胸の山頂を一際強くクラッドにつねられて、オルファリアが全身をビクンッと跳ねさせた。
(乳、首っ……痛くて……ジンジンしてっ……でも、ムズムズしてぇっ……力が、抜けちゃぅ……っ……)
急速に脱力するオルファリアの瑞々しくも艶めかしい肢体が、否応なしにクラッドへと体重を預けていく。それに逆らわず、クラッドは自分の身体ごとオルファリアを苔のベッドの上へと横たえた。
……今のオルファリアは、誰がどう見てもまな板の上の鯉に似ていたはずである……。
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