第16話 テトしゃんのしゅじょくでしゅ
一緒に行動すると言ってくれた黒い骸骨のテトさん。なんと、種族は死神だった。
「死神なのに神獣とはこれ如何に」な心境だけれど、テトさんがいれば死の森限定でアンデッドも襲ってこないというので、そこは助かっている。
何せアンデッドってある意味体力バカで、魔法で一気に灰にするか核と呼ばれる魔石とは違うものを破壊しない限り、バラバラにされようが粉々にされようがまた元に戻るというんだから厄介だ。
そんな彼らと戦闘しなくて済むのは助かる。
ちなみに、弱点は火と聖魔法。あとは回復魔法と聖水だそうだ。そこは兄や弟がやっていたゲームと同じなんだなあ……と遠い目になったのは言うまでもない。
で、今はちょうどアンデッドが出るエリアにいるそうなんだけれど、テトさんがいるおかげで襲撃がほとんどないんだって。あってもサルっぽい魔物と狼だけなので、野営地を探しつつ話をしている。
その中でテトさんのステータスを見せてくれたんだけどね?
名前 テト
性別 男
年齢 11348
種族 死神
レベル 4837/999
スキル 魔法の心得(Lv:ー)
大鎌の心得(Lv:ー)
魔物図鑑(Lv:ー)
錬金術(Lv:ー)
付与(Lv:ー)
料理人(Lv:ー)
魔力循環(Lv:ー)
魔力操作(Lv:ー)
地理把握(Lv:ー)
地形把握(Lv:ー)
気配察知(Lv:ー)
解体(Lv:ー)
魔法 土魔法(Lv:ー)
火魔法(Lv:ー)
水魔法(Lv:ー)
土魔法(Lv:ー)
雷魔法(Lv:ー)
光魔法(Lv:ー)
闇魔法(Lv:ー)
死霊術(Lv:ー)
結界魔法(Lv:ー)
時空間魔法(Lv:ー)
転移(Lv:ー)
錬成(Lv:ー)
マップ生成(Lv:ー)
生活魔法
看破
変身
言語理解
称号 女神バステトの神獣
超越者
賢者
世界を踏破せし者
世界に君臨せし者
不老不死
優しき魔物
バトラーの友人
ステラの保護者NEW
バトラーさん同様に、とんでもねーステータスでござった! これぞ人外、神獣様のステータスです、ありがとうございました! と言わんばかりのものがずら~っと並んでいて、唖然とした。
「テトしゃんもしゅごいれしゅ!」
「それでも、バトラーやスティーブ、セバスに比べたらまだまだですよ」
「しょうなんれしゅか?」
「ええ。今名前を出した三人は、神獣の中でも最強と言われていますから」
「ほえぇぇぇ! バトラーしゃんはちゅおいんれしゅね!」
「そうですよ」
おおお、死神のテトさんにですら強いと言わしめるバトラーさん。改めていい人に巡り合ったなあと、バステト様に感謝した。もちろんそれはテトさんにも言えることなので、マジで私は恵まれてるよなあと感じる。
これもバステト様の思し召しか。
ちなみに、スティーブさんとセバスさんの種族を聞いたら、会った時のお楽しみだと言われてしまった。確かに会えるかどうかわからない人の話を聞いたところで、どうしようもないもんね。
そんな話をしていると開けた場所に出た。水はあるけれど樹洞はない。
これはテントの出番かな? とか思ったら、テトさんが倒木と土魔法を駆使して、山小屋のような見た目の家を作ったのだ! 魔法って便利だな♪
「テトしゃん、しゅごい!」
「ふふ、ありがとう。今日はこの小屋で寝ましょう」
「あい!」
これはテンションが上がるよね! しかも、「幼子のステラに料理させるわけにはいきません」と言って、ご飯まで作ってくれるというのだ! ありがたや~。
テトさんもインベントリが使えるようで、そこから野菜や肉、包丁やまな板、鍋などを出して料理を始めるテトさん。何を作ってくれるのかな? 楽しみ~!
料理をしているテトさんと、それを手伝うバトラーさんを見つつ、自分のステータスを確認する。
名前 ステラ
性別 女
年齢 3
種族 神族
レベル 35/999
スキル 魔法の心得(Lv:ー)
料理人(Lv:ー)
調合(Lv:1)
魔力循環(Lv:5)
魔力操作(Lv:5)
地理把握(Lv:1)
錬金術(Lv:1)NEW
魔法 風魔法(Lv:ー)
火魔法(Lv:ー)
雷魔法(Lv:ー)
光魔法(Lv:ー)
生活魔法
鑑定
言語理解
マップ生成(Lv:ー)
錬成(Lv:ー)NEW
称号 女神バステトの愛し子
転生者
神獣バトラーの愛し子
神獣テトの愛し子NEW
お? レベルと魔力循環と魔力操作のレベルが上がってる。洞窟の中にいた時も今までの移動中も、ずっとやっていたんだから当然か。
レベルが上がった時、吐き気がしたのと体が怠く感じたんだよね。それがバトラーさんが言っていた一気にレベルが上がったことによる、体調不良なんだろう。あとでバトラーさんに話しておかないと。
あと、テトさんが保護者になったというか愛し子になったからなのか、錬金術と錬成というのが増えていた。どんなことをするスキルなんだろう? 話を聞くのがちょっと楽しみ。
そうこうするうちに料理も出来上がる。なんと、テトさんはパンまで作ってくれていたのだ!
お皿に載っているパンは、真っ白で柔らかそうなパン。スープは葉物野菜と卵、コーンが入ってる。肉はバトラーさんからもらったのか、ギャーギャー鳥を使ったステーキだ。
私の分だけは小さく切ってあって、気遣いもバッチリ。それでは実食といきましょー!
スープはコンソメ味で、とても美味しい。出汁を取っている時間なんてなかったはずなのに、いつ作ったのかと不思議だ。
パンも見た目通り柔らかくて、幼児の歯でも簡単に噛むことができた。そしてメインのギャーギャー鳥はハーブがふんだんに使われているようで、とても香ばしい味がする。
「テトしゃん、どれもおいちいれしゅ!」
「気に入ってくれてよかった。たくさん食べて、大きくおなり」
「あい!」
元気にお返事しておくよ! マジで美味しいんだもの!
その後、どうやってコンソメを用意したのか聞いてみた。前もって用意していたのかと思いきや、錬金術でやったと聞いて驚く。
町に着いて落ち着いたら教えてくれるというので、今から楽しみにしている。その流れでレベルが上がったことによる体調のことを聞かれたので、正直に吐き気のことと怠くなったことをバトラーさんに告げる。
「ふむ……。ならば、一回切っておこう」
「そのほうがいいでしょう。下手するとステラが倒れるかもしれませんし」
「だな」
おおう、倒れるのは困る! なので、バトラーさんは保護下にあったものを解除して、最初のころやっていたように、内臓を燃やすことで経験値を稼ぐという方法に決まった。
もっと魔物が弱くなったら、また保護対象に指定してレベル上げをするんだって。それならば緩やかにレベルが上がるから。
あと、魔力循環と操作がレベル5になったと伝えたら、気配察知を教えてくれると言ってくれた。これは自分の魔力を薄く周囲に広げ、魔物がどこにいるのか察知するスキルなんだそうだ。
これをスキルとして習得するとマップに反映されて、魔物がどこにいるとか魔物が近寄ってくるのがわかるようになるという、とても便利なスキルらしい。もちろんスキルになったらマップが目の前になくても自分でもわかるようになるそうなので、しっかり練習しよう。
そんな話をしているとあっという間にご飯も終わり、まったりの時間になる。テトさんにもミルクティーをご馳走したら、バトラーさん同様、気に入ってくれた。
明日はどう動くとか、どこまで移動するとかを話し合っているうちに眠くなってくる。それを察したバトラーさんが例の不思議植物を床に敷いてくれたのでその上にラグと毛布を敷くと、黒虎になって横になるバトラーさん。
それに突撃してもふもふを堪能したあと、毛布をかけて横になる。
「「おやすみ、ステラ」」
「おやしゅみなしゃい」
シュラフを出して潜り込んだテトさんとバトラーさんに挨拶をして、目を瞑る。ぬくぬくなバトラーさんの毛皮に包まれ、あっという間に寝落ちた。ぐー。
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