第18話 常夢の仮面

 決行2日前 天界時間20:14 聖皇都エデンクラウン 都内マンション


 リビング中央に浮かぶ液晶モニターに映る善景


 ケイン:怪盗アマヤドリに新しい力ですか?


 善景:そうです、怪盗アマヤドリは雨で本領を発揮出来ます。それは逆に言えば天候に左右されるというのが弱点、そこでそちらに送った常夢とこゆめの仮面が役に立つでしょう。


 ケイン:常夢の仮面とは?


 善景:かつて、夢魔の住う夢幻魔界に存在した古代文明にあったとされる幻の魔王具。それは、他者の夢の中に侵入して夢の中に巣食う悪党を退治したと記述のある代物です。夢と現実世界を自由に行き来するものとされており、悪用を恐れて厳重に封印されていたそうです。


 ケイン:それって使えるのですか?


 善景:近年まではただのアンティークアクセサリーとして数多のオークションにて競売にかけられていたのですが、最新の封印解除技術により使用可能となりました♪


 亜紀:それがありゃあ、天候に左右される事なく決行出来るってわけかい♪


 由紀:だが、誰一人眠らなければ意味がないのでは?


 ケイン:いや、大活躍出来るぞ♪


 亜紀:どういう事だ?


 ケイン:地龍神というのは大地の龍神、草木と共に目覚め草木と共に眠る種族。日中は滅法めっぽう強いが、夜は本能にあらがえず眠ってしまう。起きているとすれば地龍神以外の外部から雇い入れた用心棒のみ。


 由紀:奴等が寝静まるのは何時頃だ?


 ケイン:平均で午前0時、狙うならその時間帯だ。夢から夢へと移動すれば、誰の目に触れる事なくお目当てのお宝に辿り着けるって寸法さ♪


 亜紀:屋敷最奥付近の地龍神の夢から出て目を覚まして騒がれる前に動きを封じて最奥まで突き進む・・・だな?


 善景:それなら明日そちらに届く宵闇よいやみの香を使うと良いでしょう。私達魔族には効きませんが、夜に弱い地龍神族には効果的面ですよ♪それと・・・


 画面が屋敷の図面に切り替わる


 善景:これが、殻城邸の見取図です。そして・・・


 赤い点が現れる


 善景:これが決行時間の配置図です、この赤い点がそうですよ。


 ケイン:最短だと・・・このルートで夢渡りすれば行ける。


 善景:夢渡り。


 ケイン:何か?


 善景:いえ、良いネーミングセンスだと思いましてね♪おっと、忘れるところでした!明日、宵闇の香が届く時間帯にがそちらに行きます。その方の意見を参考に夢渡りの侵入ルートを検討なされるのが宜しいですよ♪


 ケイン:確かに、夢に関しては素人だから無闇にといえのは良くないですね。


 善景:それでは、健闘を祈りますよ♪






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