霧雨の怪盗 〜魔王少女物語外伝〜

ナオキ

第1章 雨夜の怪盗参上!

第1話 怪盗再び

 天界時間1:00 天界宇宙某所


 雨の降る天界のとある静かな街に追われる1台の車、そしてそれを追うパトカーのサイレンが鳴り響く


 雨女:このおバカ!何であそこでヘマやるんだ!


 怪盗:まさかあそこであんなトラップがあるとは思わないって!


 魔神:それは良いがお主ら、前は見なくて良いのか?


 怪盗&雨女:へ?


 2人の目の前に映る光景はガードレールにぶつかる寸前だった


 怪盗&雨女:イーーヤーーッ‼︎


 1週間後 魔界時間9:00 魔界宇宙ムネミツ皇国 都内マンション


 ケイン:はい・・・その件でしたら今日中にでも・・・はい、では後ほど。


 通話を切るケイン、そこへコーヒーを渡す雨女族の女性


 ケイン:ありがとう亜紀うき。あ、次いでにそこの書類取ってくれるかい?


 亜紀:あいよ。


 部屋に入る魔神族の女性


 ケイン:由紀ゆき、今帰りかい?


 由紀:うむ。


『同時刻 妖魔銀行本店』


 善景:雨女族の雨代亜紀あましろうき、魔界宇宙最強の傭兵団黒翼の剣の元メンバー。その実力は現副団長、桜・乱捕と副団長の座を競ったほど。


 次の資料に目を通す善景


 善景:魔神族の城神由紀しろかみゆき魁桜国かいおうこくにある酒呑蒼牙流しゅてんそうがりゅうと双璧を成す拳皇流けんおうりゅうの師範代を務めるほどの実力者、その拳は星をも砕く。


 最後の資料に目を通す善景


 善景:そして当行のケイン・Y・天里あまり。何処に出しても恥ずかしくないエリート銀行員。


 秘書:彼等にはどの様な接点があるのですか?


 善景:あの3人の親はかつて伝説の怪盗アマヤドリとその仲間だったのだ。特に先代の怪盗アマヤドリと雨代亜紀の父親は最高の相棒だったそうですよ・・・さて。


『再び自宅マンション』


 ニュースが流れていた宙に浮いた液晶テレビに映る椅子に座り後ろ向きで話す男性


 ???:おはようケイン君、元気かね?


 ケイン:何やってるんですか


 辺りが明るくなり振り向く善景


 善景:いやはや、こういうのは雰囲気が大事だと思いましてね♪


 ケイン:用件はですね?


 善景:そうです。


 ケイン:それで、ターゲットは?


 善景:天界宇宙にある精霊界はノーム族のブライ・ドルトン氏が社長をしている地精重工グループ。その屋敷に安置されてるガイアの涙・・・が飾られているが今回のターゲットです。


 亜紀:ガイアの涙の方は良いのか?


 善景:ガイアの涙は確かに本物ではありますが、彼にとってその台座が盗られる事に比べたらガイアの涙が盗られるのは大して苦ではないのです。


 由紀:それはまた面妖な。


 ケイン:ただの台座じゃないのですね?


 善景:その通り、それは台座ではなくて台座に偽装したなのです。


 亜紀&由紀: ⁉︎


 善景:最初に説明した通り、貴方が行う窃盗は4のもの。ただし、天界宇宙国際警察はこの事実を知りません。


 ケイン:天界宇宙国際警察の中に天界宇宙の巨悪と繋がる者がいるから・・・ですね?


 善景:その通りです、健闘を祈っておりますよ。


 ケイン:はいっ!それで、特別出向先は?


 善景:出向先は浄土銀行精霊界支店です。因みにこの事は先方は承知しております。尚、この映像は機密保持のため・・・


 亜紀:って、オイオイオイ!まさか爆発するんじゃないだろうな?


 善景:爆発・・・は流石に修繕費やら近所迷惑やらで面倒な事になるので静かに消滅します。


 通話が切れる


 亜紀:・・・・


 由紀:・・・・


 ケイン:・・・出国準備しようか。


 亜紀:だな。


 由紀:うむ。


 次回へ続く・・・









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