10話 席替え
今日もいつも通りシャルロットと学校に向かっているので、俺が昨日のことを話し始める。
「昨日親と話してさ、もしかしたら来年イギリスに行くかもって話になったんだ」
「え? 本当ですか! じゃあ一緒に行きましょう! 楽しみですね」
「まだ決定じゃないけどね。それに日程も変わるかもだし」
「でも可能性ができたことは良い事です! でもなんで今頃イギリスに?」
「俺の記憶がイギリスに言ったら戻るかなって思ってさ」
「戻るといいですね」
シャルロットに話して、こんなに喜んでくれるとは思わなかった。記憶が戻らなくても一緒に向こうで遊べるならいっかなと思う。それにこの前シャルロットから聞いたイギリスでの服装も気になるし。でも何か思い出せるきっかけが欲しいな。そう思いながらクラスに入ると優輝たちが
「「「おはよう」」」
「「おはよう」」
お互いに挨拶を交わしてから、いつも通りの会話に入った。今日の1限はホームルームなので、先生が早めに来て
「今日は2学期に入ったから席替えをするぞ」
席替えか...。今の席はすごく気に入っている。みんなと席は近いし席替えなんてしなくていいと思っているぐらいだ。
「はー。やだな」
と声を出してしまった。するとみんなも
「席替えしたくねーよな」
「ねー」
「今の席がいいです」
「私も」
とみんな同意見だったらしい。けど席替えをすると決まってしまった以上、文句を言っても変わるわけじゃない。腹をくくってくじを引きに行く。
くじの結果は俺の席は廊下側の一番後ろで、俺の前がクラスメイトAで隣が森本になった。森本の前がシャルロットで、優輝と伊藤も隣同士になったが、俺たちと席が離れてしまった。
席替えが終わり、みんなと集まると
「前の席ほどじゃねーけど、まあ悪くないんじゃない?」
「だね」
と優輝と伊藤が言った。その後に森本とシャルロット続いて
「だね」
「ですね」
と言った。俺も最悪の席じゃなくてよかったと思いながら
「森本やシャルロットと席が近くて良かったよ」
「「私も!」」
話の途中で先生が
「じゃあ今から文化祭の出し物を決めるぞ。なにか意見はないか?」
するとクラスメイトからはお化け屋敷やメイド喫茶などいろいろ出てきた。
「メイド喫茶だと男子たちはどうするんだ! そしたらメイドand執事喫茶にするぞ」
先生からの提案がされた。俺はお化け屋敷がいいんだけどな。すると
「一ノ瀬は生徒会で出れないのか?」
「いえ、当日はでれます」
俺が先生に言うと、森本とシャルロットが今までメイド喫茶と聞いて嫌がっていた顔がスッとなくなった。
「じゃあ投票を開始するぞ」
投票結果はお化け屋敷12票、メイトand執事喫茶が24票になった。
「じゃあ次は中で調理する奴と外で接客する奴を分けるぞ」
するとクラスの男子からはシャルロットと森本がいいという声が上がり、女子からは優輝がいいという声が上がった。
「じゃあその3人は決定な。でも3人も勝手に決められて不公平だから3人にもやってほしい人を言っていいぞ」
そう言うとシャルロットと森本が
「(大輔、だい)くんがいいです」
は? 俺接客とかやりたくないよ。と思い
「俺は調理がいいです。接客するとおなかが痛くなります!」
するとシャルロットと森本が
「(大輔、だい)くんがやらなかったらおなか痛くてできません!」
何言ってくれるんだ! そう思っていると優輝が
「大輔は決定ということで。俺は伊藤にやってもらいたいです」
伊藤もまんざらでもなさそうに了承した。その後接客する人たちが決まっていった。ホームルームが終わると
「大輔くんもやるって言ってくれてうれしいよ」
「ほぼ強制じゃないか」
「みんながやるのにねー。 結衣ちゃんもそう思うよね?」
「思う思う!!」
この二人は最近本当に仲良くなったよなと感心していたが、二人が手を組んで俺をいじめてくるとは。結局いつもいるメンバーはみんな接客になった。まあみんながいるから何とかなるでしょ。そう思いながら今日の授業を受けた。授業が終わり生徒会室に向かうためクラスを出ようとすると斎藤さんがクラスに入って来て
「一ノ瀬くん! 一緒に生徒会室に行こ!」
「あ、うん」
俺がそう言うとシャルロットと森本が俺に
「「生徒会の子? 一緒に行くぐらい仲がいいんだね?」」
とジト目で言ってきた。
「まあ、今後一緒に仕事をする仲間だからね...。」
「フーン。後で2人で話そうね? 結衣ちゃんのことも聞きたいし」
「私もシャルちゃんの話聞きたいし3人で は な そ う ね? だいくん?」
「はい」
そう言って斎藤さんと生徒会室に向かった。
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