番外編2話 シャルロットの心情 1
私は小学校低学年の頃、同級生の男の子たちからモノを隠されたり、勉強の邪魔をされたりしていて、男の子のことが苦手になっていました。当時ちょっかいを出されていた時にクラスメイトの日本人の男の子が助けてくれました。
その時、私は男の子のことを優しい人だなと思いました。その男の子のおかげで、男の人の苦手意識も減っていきました。その男の子とは小学校低学年で日本に帰国してしまいました。それまでは日本の男の子とよく色おにやかくれんぼ、トランプなどをして遊んでいました。その男の子が日本に帰ってしまうときは本当に悲しくて、泣いてお母さんに帰国しないように言っていました。
そして私が高校生に上がる頃に親の仕事の関係で日本に来ることになりました。本当は3月までに来る予定でしたが、日本で建ててもらっている家がなかなか立たなくて、4月後半までイギリスにいました。そのため高校に入学するタイミングがずれてしまい、学校に通うことが不安でした。
高校に入学してすぐクラスに案内され、私はクラスで自己紹介をしました。
「今日からよろしくお願いします。シャルロット・アークレイです。英才教育をうけていたため、日本語が話せるので気軽に話しかけてください。」
最後のほうは緊張してしまい、小さな声で話してしまいました。もともと私は恥ずかしがりやなため、大勢の前で話したり、人と話すのは苦手です。自己紹介ごは先生が気を使ってくれて私の席も含めて、席替えで決めることになりました。
私の隣の席になった男の子の名前は一ノ瀬大輔という名前で、小学校で助けてくれた男の子に少し似ているなと思いました。あの時の男の子のような優しい人だといいなと考えていたら
「よろしくねシャルロットさん」
と優しい声で話しかけてくれてました。さらに周りの席の人まで紹介してくれて、高校にくるまでの不安が無くなっていく感じがしました。ですが授業が終わってからクラスの皆さんが話しかけてくれて、私は後退ってしまいました。その時に一ノ瀬君がクラスのみんなに
「今日の質問は女子だけで、明日以降は男子からも質問をするって感じにしようよ。シャルロットさん困ってるしさ」
と言ってくれました。私の顔伺っていってくれたのかはわかりませんがすごく助かりました。一ノ瀬君はクラスの男の子たちに批判をうけていましたが、上野くんのフォローもあり収まりました。
その後はクラスの女の子から
「彼氏はいたの」
「イギリスってどんな生活してるの」
「学校はどう?」
などいろいろ質問されましたが、一ノ瀬君が先ほど紹介してくれた人が私のフォローに入ってくれて、問題なく今日は終わりました。
先ほど助けてくれた伊藤さんと森本さんには感謝しかありません。また友達になってほしいなとおもいました。
家に帰宅するとお母さんが夜、家族全員でお隣さんに挨拶に行くわよってニコニコしながら言われました。お隣さんのお家に行くと、そこには一ノ瀬君がいて私と一ノ瀬君は顔を見合わせてしまいました。お父さんが一ノ瀬君のお家に私たち家族のことを紹介して、話が途切れた時にお姉ちゃんが
「シャル、一ノ瀬君と一緒の学校じゃない?」
と言い始めて、ビクッとしました。私と一ノ瀬君、おねいちゃん以外のみんなは驚いてました。その後は家に帰宅して、家族と
「シャルよかったわねー」
「一ノ瀬君どう?」
とお母さんとお姉ちゃんが尋ねてきたので
「学校でもすごく優しいよ。 小さいころにあったあの男の子みたい...」
そう答えるとお母さんとお姉ちゃんが
「「気づいていないか...」」
と言われたので
「何が?」
と返答すると
「何でもないよ。まあ自分で考えなさい」
「後一ノ瀬君と一緒に登校しなさい! あなた方向音痴なんだから」
そう言われてしまったので
「一ノ瀬君に悪いし、それに誘う勇気なんてないよ」
と答えるとお母さんが
「男の子はね、誘えば一緒に行ってくれるものなのよ! それにこれは強制だから」
と言われてお母さんとお姉ちゃんは自室に行ってしまいました。お父さんは帰宅後にすぐ書斎に行ってしまい、本を読み始めていたので居間には私一人になり、一ノ瀬君の話は終わりました。
次の日に私は一ノ瀬君が家から出てくるのを見計らって、勇気をだして一ノ瀬君に
「おはようございます。よければ一緒に登校しませんか」
と誘い、了承をもらえました。私は嬉しかったのですが何を話せばいいかわからず、一緒に登校していたら
「シャルロットさんはイギリスでどんなことしてたの」
「シャルロットさんの好きなことは?」
など話題をふってくれて話を途切れることなく学校に行けました。学校についてからは一緒に登校してきたことをみんなから質問攻めされました。昨日話したことのない人は一ノ瀬君がうまく対処してくれました。私は一ノ瀬くんは本当に優しいなと感じました。
席についたら伊藤さんが一ノ瀬君に
「シャルロットさんと登校って珍しいね! どうしたの?」
と尋ねられていていました。
「家が隣同士だったんだよね、今後も一緒に登校することは増えるかもね」
と答えてくれて、今日だけじゃなく明日以降も一緒に登校してくれるかもしれないことに嬉しかったです。一人で行くより一ノ瀬君と話して学校に行ったほうが楽しいので。
そんな考えをしていたら森本さんが
「普通は近所でも一緒に登校はしないと思う」
と言われてしまい、私自ら納得してしまったところを
「学校になれるまではね、シャルロットさんが良ければ」
と一ノ瀬君から明日以降の登校の誘いを受けて、本当にうれしかったです。
その時、森本さんは一ノ瀬君のことが好きなのかなって少し思いました。
その後クラスメイトの人たちから遊びの約束を受けました。日本に来て遊んだことがないので遊んでみたいですが、まだ知り合ったばかりの人たちと遊ぶことに迷ってしまい、一ノ瀬君のほうを向いてしまいました。その時上野君から一ノ瀬君たちも含めて遊ぼうという誘いをうけて私は両諾しました。他の人たちも両諾してくれて遊ぶ約束をして授業が始まりました。
授業がおわり帰りも一ノ瀬君と一緒にと、思っていましたが一ノ瀬君が早く帰って料理をしなくちゃいけないといい、一ノ瀬君が帰ってしまったので一人で帰りました。
帰宅後、今日みんなで遊びの約束をしたことでワクワクしていましたが、まずは来週の中間試験に集中しようと思いました。
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