10話 休日と主人公の気持ち

 今日は自然と目が覚めた。




 自由が丘10時集合で今の時刻は9時00分。自由が丘まで数駅なのでワックスをつけて準備をした。家をでたらシャルロットさんがすでに家の前で待っていた。 


 シャルロットさんの服装は白Tシャツに緑のチノパンのカジュアルコーデ。化粧もしていて高校とはまた違う可愛さにシャルロットさんを凝視してしまった。




「あの変ですか?」




 顔を少し赤らめながら上目遣いでこっちを見てきた。またドキッとしてしまった。かわいい子の不意打ちはよくない...




 俺も恥ずかしがりながら




「似合ってるよ」




「ありがとうございます!」




 嬉しそうにニコニコしてくれた。




「一ノ瀬君も似合ってます。」




「ありがとう」




 お互い恥ずかしがりながら話した。数分間の沈黙があったが自由が丘について俺が






「自由が丘っておしゃれな街なみって世間的に言われてるけど、俺は二子玉とか丸の内の方がおしゃれな感じがするなー」




「そうですか? 私は少し古い商店街などがあっておしゃれな感じがしますけど...」




「人それぞれとらえ方が違うからね」




 そんな話をしていたら、他8人が次々とついて5分後には全員が集まった。まず目に入ったのは森本さんの服装。シャルロットさん同様に白Tシャツではあったがブラウンのロング丈チュールスカートを着ていた。他のみんなもおしゃれをしていたので学校とは別人になるんだなと思った。ここで優輝が




「今日の予定は午前中はショッピング。お昼を食べてからカラオケに行って帰宅で大丈夫か?」




 みんなに今日のスケジュールを言ってくれた。俺も含めてみんなが




「「「「「「「「「 了解 」」」」」」」」」




 まず商店街のお店をまわろうとしていたら、シャルロットさんにクラスの男子(俺と優輝以外の2人)が話しかけた。また優輝はクラスの女子(伊藤さんともう1人)に話しかけられていてどちらも話し始めた。余った4人(男子2女子2)の内カップルが1つあることから俺と森本さんが余った。




 なんやかんやでグループが4つに分かれてしまった。全員が視野に入れられる範囲内でショッピングをしていたら俺と森本さんに1人の男性が話しかけてきた。




「お二人はカップルですか? 美男美女のカップルを取材するという仕事をしています」




 二人は唖然としてしまい、一緒に遊んでいるみんなも驚いていた。森本さんはパニックに近い状況になっていたので、




「申し訳ありません、俺たちは付き合ってないのでお断りさせていただきます」




 と回答をすると




「そうですか...。もしモデルに少しでも興味があればうちの事務所に来てください。連絡できるように名刺渡しておきますね」




 そう言われて俺と森本さんに名刺を渡して去っていった。すぐさま伊藤さんが来て




「え? 結衣ちゃんと一ノ瀬君モデルにスカウトされたの? すごい!」




「えーと森本さんはかわいいけど俺は次いでみたいな感じだから森本さんがすごいだけだよ」




「そしたら結衣ちゃんだけに名刺わたすでしょ!」




「あー、まあついででしょ。そんなことよりもうお昼だからそこのハンバーガー屋にでも行かない?」




 俺は話をそらしてお昼の話をした。みんなはまだ驚いていたが少しづつ我に返ってきてハンバーガー屋に入った。 中は1階と地下があり、すごくおしゃれなお店だった。ハンバーガーが1つが1000円は高いと思ったが、都内だとどこでも1000円ぐらいはするので普通だなと思い直した。




 お昼を食べている最中は全員でモデルスカウトの話やテストの話で盛り上がった。お店をでてカラオケに向かっている最中に、




「一ノ瀬君、もしよろしければ大輔君と呼び方をかえてもよろしいですか?」




 シャルロットさんが問いかけてきた。内容に驚いたが




「うん。いいよ」




「では私もシャルと呼んでください」




 俺が呼び方を変えるのはさすがにハードルが高かったので




「うーん、ちょっと難しいかな? 善処はしてみるよ」




「うん! 大輔君。ほらみんなカラオケの前で待ってるよ! いこ」




 二人でカラオケ店に走って向かった。




「おせーよ、3時間500円の学割パックでいいか?」




 優輝が遅れてきた俺たちに言ってきた。




「「大丈夫」」




 10人で入るカラオケボックスだからものすごく大きかった。俺も含めた男子全員とシャルロットさんはアニソンを歌った。女子は失恋ものや恋愛系の歌を歌っていた。次にアイドルの歌を歌ったり洋楽などの歌った。


 俺は優輝と話していて、森本さんはクラスの女子と話していた。今まで伊藤さんとしか話していなかったので少しうれしかった。そんな時シャルロットさんが俺のところに来て




「大輔君の歌は迫力がありますよね」




「そうかな?」




 二人で少し話していると




「え? 一ノ瀬君のこと、名前で呼んでるの? シャルロットさん」




 伊藤さんやクラスの女子が問いかけてきた。




「さっきからお互いが呼ぼうって話したんだ! でも大輔君は少し時間がかかるっぽいけど...」




「一ノ瀬のヘタレ」




 と伊藤に言われた。森本さんはこっちをジト目で見てきた。クラスの男子は羨ましーと叫び、女子は付き合ってるの? と聞かれた。




「付き合ってないよ」




 そう答えたが俺は少しもやもやしてきた。




 カラオケが終わり




「じゃあ学校でなー」




 そう話して駅でシャルロットさん以外と別れた。その後もカラオケの話をしていたら家に着いた。




 家に入ってシャルロットさんの言葉を思い出す。今でも森本さんが好き... でもシャルロットさんのことを考えると少しドキドキする。 今日の遊んだ目的の森本さんに友達を作るは達成したし、少し気持ちの整理がしたいから距離をとろうかなと考えた。好きな人に脈がないとわかっていて話しても俺が苦しいし気持ちの整理をしてからまた友達にでもなろうかな?




 大輔は森本さんとシャルロットさんのことで揺さぶられていた。

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