蕾は散ることを知りながら花ひらく

 蕾は散ることを知りながら花ひらく


 だからこそ花は美しい


 永続なんて何もない


 苦しみすらも途切れるのだから


 この足跡も消えるだろう


 振り返れば、ほら 消えてゆく


 宵闇の香りは花の歌声


 月輪に浮かぶ口紅が笑う


 どこかで蕾が花ひらく


 この香りも消えてしまうだろう


 あとは散る、ただ それだけ





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