二月の蝋梅

 暗く下がった 帰り道


 ひとり帰る 坂の道


 ゆき先闇の その先よ


 ふと 呼び止めるのは 


 闇夜に咲く 蝋梅のかおり



 迷わず止める 靴の音


 歩み寄れば 蜜蝋の園


 迷いこむ 蜜蝋の園


 闇夜に誘う 蝋梅のかおり



 また ある日 冬の月夜


 道標埋もれる 白い涙に


 ひとり帰る 坂の道


 ふと 呼び止めたのは


 雪夜に咲く 蝋梅のかおり



 迷わず止める 白い息


 歩む先に 蜜蝋の氷菓


 見惚れてほころぶ わが頬よ


 蜜蝋色の 甘い氷菓よ


 ゆき先闇の その先よ


 暗く下がった その先よ


 歩み寄れば 迷いこむ


 闇夜に咲く 蝋梅のかおり


 闇夜に誘う 蝋梅のかおり




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