DOPPEL - GANGER ドッペルゲンガー

中村ケンイチ

第1章

プロローグ


『池袋、サンシャイン60より、不法侵入者との通報──』


その夜、ヘリのローラー音が繁華街に響き渡っていた。


『……対象を目視。302番のゲンガーと断定。狙撃許可を願います』


「許可する」


通信を切ると、その男はビルの屋上で風になびかれながら、煌々と輝く街並みを見渡した。



「この世のドッペルゲンガーは、全て駆逐する──」




この世界にはある“闇”がひそんでいる。

彼らはヒトと同じ姿で群衆にまぎれ、生活をし、ヒトを殺す。


この日本でその存在が認められたのは、ここ近年の話。

それはいつしか人々から「ドッペルゲンガー」と呼ばれ、見えない恐怖の対象となった。


国家は、DG対策局を組織し、多くのゲンガーが駆逐された。

しかし、彼らは滅びることなく、この世界の闇に紛れた……。

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