第8話 飛びたい
僕は飛べなかった。
僕は生まれてから一度も飛んだことがない。
カラスなのに飛べない。
はじめて巣から出た時も木から落ちてしまった。
僕は飛べないカラスなんじゃないかって考えていたらロゼが言った。
「急がなくていいさ。君、飛べたら行っちゃうんだろう?」
僕は飛べたらそのまま帰ってしまうのかな?
「急いでなんかいないよ。飛べたって飛べなくたって僕はどっちだっていいんだ。」
僕は強がってしまった。
「ああ、いいさ。君は君さ。心配なんてしなくていい。みんな君が好きさ。」
そうロゼが言うからホッとして今度は弱音を吐いてしまった。
「でも飛べない。」
そう
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