05 辿り着いた国で
しばらくして、不思議な男性バルドと一緒に隣国にたどりついた。
三日三晩歩き通しだったので、とても疲れてしまった。
着の身着のままで追い出された私は、何も持っていない。
お金や食べ物なども一切だ。
これから、稼がなくてはいけなかった。
だけど、安全な場所にたどりついた途端に、力尽きてしまった。
「馬鹿な女だな、まったく」
自力で動けないでいた私を、バルドがかついで運んでいてくれる。
彼はどうして、そんな事をしてくれるのだろう。
重い口を開いてそう答えれば、「お前にとっての王子様のようなもんだ」と告げられた。
よく意味が分からなかった。
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