2015-08-24 ■すたんどあろ~んこんっぷれっくす
しいな らん
すたんどあろ~んこんっぷれっくす
友人へのアンサーとして。
(Wikipediaより)
あらすじ[編集] 時は21世紀、第3次核大戦とアジアが勝利した第4次非核大戦を経て、世界は「地球統一ブロック」となり、科学技術が飛躍的に高度化した日本が舞台。その中でマイクロマシン技術(作中ではマイクロマシニングと表記されている)を使用して脳の神経ネットに素子(デバイス)を直接接続する電脳化技術や、義手・義足にロボット技術を付加した発展系であるサイボーグ(義体化)技術が発展、普及した。結果、多くの人間が電脳によってインターネットに直接アクセスできる時代が到来した。生身の人間、電脳化した人間、サイボーグ、アンドロイド、バイオロイドが混在する社会の中で、テロや暗殺、汚職などの犯罪を事前に察知してその被害を最小限に防ぐ内務省直属の攻性公安警察組織「公安9課」(通称「攻殻機動隊」)の活動を描いた物語。作中の年表は別項、攻殻機動隊シリーズの年表を参照。
《おーい、いる? 中古のエロゲの通販届いたよ》
《現在 スタンドアローン状態 です》
またヒッキー病再発しとるがな…… まっ、いいや、進めるところまで進めとこ。
パッケージには『姉(ねぇ)! もうちょっとマシになりましょうよ』というタイトル。ショートカットで気の強そうな女の子の絵が記されている。
ロリコン気取ってるけど本当は年上好きの甘えたなあいつがもろ好きそうなタイトルやなwwwwww
電脳にデータをインプットする。ゲームの情報は全て頭の中に入ったが、内容は”まだ知らない”状態である。 ゲームウィンドウを開くと、オープニングが始まる。
エロゲ界で有名な声優さんの歌う歌に合わせて美麗アニメーションが流れる。
深夜、繁華街でうんこ座りしてるヤンキーっぽい子、ペンを眼前に掲げてカンバスの前でパースを取っているインテリっぽいメガネっ子、暗い部屋で一人っきり体育座りしてる影帯びてる子。
初めからをタップ。
【……ん】
【…………さん】
【名前を入力してください_】
あ、そーいうタイプのゲームね、あいつの名前入れといてやろ。
明子【あっ、凪さん目を覚ましました?】
凪【え…… あっ…… えっと……】
明子【?】
凪【誰?】
明子【!?】
凪【あれ、ちょっとなんだこれ、自分の名前もよくわからない】
明子【先生! 凪さんが目を覚ましました! まだ量子コンピュータの異常が有るみたいです!】
凪【どっか行っちゃった…… なんか大変な事になってるみたいだぞ】
医師【凪君、目を覚ましたみたいだね、体調に異常は?】
凪【体調は全然大丈夫なんですが、自我領域が混乱してて】
医師【ちょっと見させてもらうよ】
医師【明子さん、大丈夫落ち着いて、生体部分は大丈夫みたいだ、コミュニケーションも取れてるし、リハビリすれば時期に良くなるよ】
明子【うっ…… ううぐぅっ…… ほんっ…… ほ、本当っ、ですか】
医師【凪君、目を覚ます前のこの世界の記憶はどれくらいあるかな? 君は事故に遭ってしまって、電脳の量子区域を損傷してしまって別世界線と混濁してしまったのだけれど、もう無事手術も済んでいるし、時期に安定するよ】
凪【そう、ですか(なんか大量の記憶が入り込んできて頭ん中滅茶苦茶だ)】
あれ、これ重い話? とりあえずヤンキーから攻略してみるか。
エロゲ中……
エロゲ中…………
え、フラれた。バッドエンド入った? ん? あ? まだ続くのか。
エロゲ中…
エロゲ中……
攻略したけど……なんかぱっとしないエンドだったな。打ち切りの漫画じゃないんだから。メガネっ子いくか。
エロゲ中……
エロゲ中…………
またフラれた。んでまだ続くのね。世知辛いゲームよのう。
エロゲ中…
エロゲ中……
また打ち切り漫画かよ。最後ヒッキーか。
エロゲ中…… エロゲ中…………
フラれる、と。
エロゲ中……
エロゲ中…………
なんかさっきよりましなエンドだったけれども。え、主要全員攻略したけどトゥルーエンドとかないの。1000円のゲームだな、やっぱし。
もう終わっちゃった……
暇だな、凪ん家行ってみるか。
服を着替え、車のKeyを持って三十分程走らせ凪のアパートまで着く。
チャイムを押すが反応がない。
「おーい! 凪くーん!」
ドアに耳を当ててみると、中から微かに嗚咽が聞こえる。あいつ……
緊急時のパスコードは昔聞いてたので、無理やりドアロックを解除する。
「凪くん!」
「ううっ!? 信二さん!?」
「LAN切っちゃってるから心配して来たよ」
「あぁ……ありがとう……」
「部屋汚いなぁ、まだ失恋引きずってるの? ずっとLAN切って何してたのよ、暇でしょう、前話したエロゲクリアしたからさ、クリアデータあげるよ、有線繋ぐね」
「いや、まっ!」
「ぐぇぇっ、なにこれ! 気持ち悪! 凪君なんか危ないデータ入れてる!?」
「う、うるさい……」
「データだけ送ったから、ねぇ、そういうの本気で良くないよ」
クリアデータを開いたらしい、その瞬間凪くんの瞳の色が目に見えて変わった。
バーッと漫画みたいに涙が溢れだした。
「信二さん、ごめんなさい」
そう言う間も涙はボロボロボロボロとこぼれ続けている。 「いや、大丈夫?」 「俺、あの娘の所行かなきゃ」
「おいおいおいおいおいおいちょっとまて、この前そう言ってリアルで飛び出してってエネルギーもうほとんどないでしょ、動かなくなっちゃうって! エネルギーどうすんの! お金あんの!?」
「しばらく働いて稼ぐ……」
「本当大丈夫」
「うん、ありがとう、ありがとう……」
と、そんな訳で1000円のエロゲで改心したらしい凪君は簡単なデータ入力の仕事なんかを初めて悪い物もやめたようだ。
変な創作活動なんかも再開したようでまだ不安ではあるけど、とりあえずよかったかな。
fin. 2015/8/24.22:39
2015-08-24 ■すたんどあろ~んこんっぷれっくす しいな らん @satori_arai
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