ほんぶん
1、僕は半数を採った
三十回噛め、というのが俗説だろう。
僕も俗説に倣って、一口三十回に挑戦してみた。
うん、面倒だ。
顎は疲れるし、味も飽きるし、何より噛んでみると数字で見るよりはるかに三十回というのは多く感じる。
はやくも自分は早食い克服を断念することになるのか。でも自分はそこで少し考えてみた。
一口三十回は面倒だ。ならばニ十回ならばどうだろう?
思いついて、一口二十回にトライ。
ふむ。案外、面倒でないぞ。
自分には大いなる発見のような気がした。何も一口三十回説を忠実に従う必要などなかった。
さあ、これで一口十回ぐらいしか噛んでいなかった時よりも、遅くなるぞ!
――――あれ?
読者諸賢? もお気づきだろうが、三十回の半数は十五回である。
ニ十回じゃ、半数じゃあねぇじゃん。
糾弾しないでちょっと待って欲しい。
これよりしばらくして自分は新たに早食い克服の案を思い付いたのだ。
それは……一口を二口に分ける。
一口は一口だろう、クチナシはクチナシだろう?
アカネ科クチナシ族の常緑低木のことは、今は全く関係ない。(なら書くなよ)
例えば、鶏肉の唐揚げがあるとしよう。
早食いの人はおそらく、一ピースを一口で口に入れてしまうだろう。
それこそが問題だったのだ。
唐揚げを二口に分けて食せば、必然的に食事スピード二倍になる。
一口に含む量は、箸で掴んだ体積の半数。ほら半数だった。
察しの良い人はもうお気づきかも知れない。一口二十回、二口四十回。今まで一口十回だったのが四倍も多く噛んでいる。さらには一口三十回よりも、十回も回数が多い!
さらに例に挙げるとして、ポテトチップス。
油が多分に含有されていて、たくさん食べれば不健康の悪因でもある。
ポテトチップス一枚を二口で食べるように変えるだけで、一袋がひじょうに多く
感じてくることだろう。結局、こんなにいらねぇ、ってなっちゃいます。
と、ここまで書いてきたが、半数になった数値は体積ぐらいしかない。
半数採ったというのは、虚言かぁ? とチンピラにいびられそうだが、半数はこの後の最終結論に登場する。
そして、その最終結論と言うのは――――。
ずばり、一口十五回から二十回。
はあ? はっきり回数を定めろよ、とまたもやチンピラもしくは暴力団員にいびられかねない? が、二十回と定めてしまうと、極端に柔らかいものや小さい物を噛むのがとても大変なのだ。これは実際に噛んでみないとわからないだろう。
だから十五回から二十回という回数にした。
それでも早食いの時よりかは三倍も遅くなっているのだ。
2、早食いしなくなることでの利点とは?
次は、いざ早食いを克服して良い事はあったのか、という読者の誰かしらが抱くであろう疑問に答える。
単刀直入に言うと、答えは、はい。だ。(イエスじゃないんかい)
一番顕著な利点は、大食いしなくなることだろう。
今までの一口で食べていた分量を、二口で食べるのだ。心理的に結構食べた気分になる。
加えて早食いの時の食後に感じていた、腹がくちくなって苦しい感覚も大方減る。
おかげで食後は気分爽快。一食でも大いに満足、できるようになる。そして人目にも体裁がいい。(早食いは嫌に目立つ)
そして先にも書いたポテトチップスの例のように、食事量が減る。ついつい食べ過ぎてしまう、という人にも、ぜひとも僕の方法を使ってみて欲しい。
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