砂漠の国 ~誘導世界~

うどんのぐ

序章 悪夢からの目覚め

零話

砂塵が舞っている。


オオオオオ、キンキン

雄たけび、刃と刃がぶつかり合う音が聞こえる。


戦場だ。


なぜ私はこんなところに居るのだろう。


「よく見ておくのだぞ。」


ふいに横から声がした。


そうだ、私の父によって連れてこられたのだった。


私の父。この国の王。


「なぜ、争っているのですか?」


私は思ったことを口にしていた。


「なぜかって?それは分かっているだろう。ここは誰のものか分からせるため。

そして、お前の母を殺したからだ。」


そうだった、私の母は戦場で父に飛んできた矢を防ぐため自らを盾にして、

死んだのだ。


「おい、準備はどうなっている?」


父が軍の指揮官の様な者に尋ねている。


「は!もう整っており、いつでも。」


「そうか、ならばさっそく始めてくれ。」


何をする気なのだろう。


「よく見ておくのだぞ。」


そういって父は私に戦場を見るようにうながした。


次の瞬間、轟音が響きわたる。さっきまでの騒音は消えあたりは閃光で包まれた。


これは巨大誘導砲。



この世界には”誘導”という力が存在している。


私はそれを消し去らなければならない。


私のために、人々のために、

そして世界のために・・・

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