第29話 【三階層:レストルーム(休憩部屋)】

 三階層に辿り着くと辺り一面には草原が広がり、中心には湖があるようだ。



 他のパーティーは湖周辺でキャンプを張っているみたいだな。



「サリー、ここで休憩するよ。

 他のパーティーがいるから襲われないと思うが、一応警戒はしておこう。」


「そうね。」


「お腹も空いたことだしまずは腹ごしらえだな。

 クラッシュボアの肉があるからぼたん鍋にするか。」



「ぼたん鍋??」



「あぁ、イノシシの肉を使った鍋のことだよ。」



「なるほどね。」



 よし作るか。



 まずは大きな鍋に水を入れ火を用意し、沸騰させる。



 そして、クラッシュボアの肉を薄切りにして鍋に入れる。



 次に出汁を入れるが、出汁の材料はフードバイキングでみりん、料理酒、味噌、味の素を購入して投入する。


 合計1200pointの消費か。



 野菜を何にするか。そういえば一回層でデーモンプラントを倒したのを思い出した。鑑定すると。



【デーモンプラント】


 葉に悪魔の顔が描かれている。通常は蔦や根っこで攻撃をしてくる。


 見た目は悪いが味は普通の緑野菜と同じで健康的である。



 うん、鍋の野菜に使えるな。



 肉を弱火で加熱すると、柔らかい肉質を保てるから弱火でじっくりと加熱する。


 そして、デーモンプラントの葉を入れていく。


 はい、【ダンジョン即席ぼたん鍋】の完成だ。



【はぁ~、めっちゃいい匂いがする。


 これは食欲がそそるな。】


【これは、美味しそうですね。】



 器に注いで早速肉を食べる。


 ?!今回も料理補正特大が効いて肉の旨みが数倍に増しているな。



【何これ!めちゃくちゃ美味しい!

 この味噌っていうの?

 初めて食べるけど肉と鍋は相性抜群ね。】



 トコトコトコ



【失礼、こちらからとても食欲のそそる香りがしたもので…

 その料理を少し分けていただけませんか?

 もちろんお代は払います。2人分よろしいですか?】



【ええ、量は沢山あるので大丈夫ですよ。そしたら銀貨1枚でどうでしょう。】



【良いのですか?ありがとうございます。では銀貨1枚です。】



 1つ器に入れて渡した。



【感想が聞きたいので、まずは1口食べてみてください。】



【では頂きます。】


 っ!!


【めちゃくちゃ美味しいですよ!あなた料理人ですか?】



【えぇ、経験はありますが今は冒険者ですね。】



【なるほど、勿体ないですね。店を開いて欲しいくらいですよ。】



【はい、これはお連れさんの分です。】



【ありがとう、俺はフローガンという。

 また会った時は料理を食わせてくれよ。】


【あぁ。】



 トコトコトコ…



【ねぇ、あれって私たちを狙っている2人じゃない?】



【そうみたいだな。いい人そうではあるが用心することに変わりわない。

 やられたらやり返す、それだけだよ。】



【それでフローガンの鑑定はできたの?】



【あぁ、かなり強いな。ギルドで闘った金級ランクのラオスより強いとは少し驚いたよ。

 相当手練だな。】



 これがフローガンのステータスだ。


 名前 フローガン



 年齢 30



 レベル 62




 …………




 次回は

 フローガンのステータス詳細から入ります。

























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