第20話 サリーが奴隷になった経緯

「一月程前の戦争時ことよ。

私は【異種国フィールズ】に属するスパイをしていて、【帝国バルカン】の探りを任されていたんだけど…」



「その時に何かあったのか?」



「ええ。

軍義の会話を聞いて帰還しようとしたら跡をつけられてて戦闘になったの。」



「ほぅ、それで?」



「私には敵わない相手でね、名前とレベルを鑑定できる魔法具で調べた数値がこれよ。」



そんな魔法具があるのか…




名前 #城之崎__きのさき__##竜二__りゅうじ__#


レベル 161




「本当の化け物はこいつだろ…」




しかも日本人??俺だけではないのか…




「それでね、戦闘に負けて気がついたら奴隷になっていて馬車で運ばれている最中だったの。



幸運にもその時、バーンウルフの群れに囲まれてる状態で商人は殺された…前の戦闘で衰弱していたけど、私は何とかその後逃げられたわ。




逃げた先で帝国の隣国、【迷宮国ウルブス】の人間に見つかって今の状況に至るって訳。」



今いるここは【迷宮国ウルブス】というのか…




「その人間とはち会う前に隠蔽スキルと変化スキルを使って襲われた弱っている人間の奴隷に成りすましてたのよ。


逃げれても奴隷紋は消える訳じゃないからそうするしかなかった…


でも何とかうまく命拾いしたわ。」




「そういうことか。大変な思いをしたんだな。」





「だとしたら外に出る時、サリーはさっきとは違う容姿の人間に成りすました方が良さそうだな。」




「そうね。」




「まぁ、ともあれ。君を買った経緯とこれからのことを話すところからよく聞いてくれ。」




「わかったわ。」

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