猫の中

名前

「ねえ、あのぬいぐるみが欲しい。お願い。どうしても欲しいの。買って？だって、私誕生だよ？。お願い！」

「ほんと？！ありがとう！やったあ！うん、大切にする。」

「ママ？今日買ったぬいぐるみは？どこにあるの？あ、あの袋の中か。」

「·····あった！可愛いー。この子にして正解だなあ。ふわふわしてる。一緒に寝ようね。あ、名前欲しいよね。決めてあげる。んー、キミの名前は✕✕。いい名前でしょ？大切にしてあげるね。さ、一緒に寝よ。おやすみ、✕✕。」

「年末だからって大掃除しろとか、ほんとめんどくさい。どうせすぐ汚くなるのに。はあ、やりたくない。あ、でも結構懐かしいの出てくるなー。まあ、ガラクタばっかりだし、捨てちゃっていいかな。」

「·····あ。これ、小さい頃買ってもらったんだっけ。汚れてるなあ。すごくお気に入りだった気がする。そうそう名前が、」

「·····名前が。名前？？」

「なにこれ。こんなのうちの家にあったっけ。汚い。気持ち悪いな。よく見ると、目の周りとか赤く汚れてる。誰のこれ。捨てていいのかなあ。んー、いっか。」

「名前わかんないし。」