朝起きたら
朝、賑やかな声で目が覚めた。
冬にしては暖かい太陽の柔らかい光が、カーテンの隙間から差し込んでくる。
ご近所の大家族が、どこかへお出掛けするようだ。
大家族は今どき珍しく子供が五人もいる。
家族総出で車に荷物を積み込んだりしているのか、子どもたちの声がわいわい賑やかだ。
出発したのか、急に静かになった。
僕はお腹が減ったので、うどん屋さんのおにぎりか親子丼を食べに行こうか、パン屋さんに塩バタークロワッサンを買いに行こうかと思った。
決め兼ねたので、散歩しながら決めようと思った。
とりあえず薄い橙色のブルゾンコートを羽織って、紺のスニーカーを履いてアパートのドアを開けた。
うあっ!!
僕はびっくりして心拍数が上がった。
「ちょっと! なにしてんの?」
―――カナコ。
そこにいたのはカナコだ。
カナコが僕ん家のドアの横にうずくまって座っている。
膝に顔を埋めていたって、僕には彼女だってすぐに分かってしまった。
「いつからいたんだよ?」
僕の問いかけにカナコは答えない、顔も上げない。
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