第18話 企業に志、存在意義と使命を求めるのは酷か?

 企業というモノは、利益追求集団である。

 儲けのない仕事を継続することはできないし、企業を少しでも長く存続させたいなら、いかに利益の生む仕事を請け負うかが絶対条件となる。


 しかし、企業には、もう1つの隠された顔、使命というものがあり、企業の使命として真っ先に挙げられるのが、社会貢献という枠組みである。


 企業は利益を追求する表の顔を持つ反面、利益を追求するだけでは、社会から認めてもらうことのできない、もう1つの側面、ジレンマを抱える。


 利益のみを追求する会社の姿勢は、必ずしも世間からの支持されるとは限らず、社会に認めて貰えないということは、つまり、エンドユーザーの手に取ってもらえないことを意味する。


 つまり、企業が推す商品を顧客に購入して貰えないということは、企業にとって致命的な欠陥となる。


 そこで企業は、利益の一部を社会に還元し、社会貢献という形で、エンドユーザーとの関係を保とうとする。


 これらは、コインの裏表のような関係であり、企業が社会から認知されるのは、やはり社会貢献の度合いにもよるだろう。


 いかに社会のために役立ち、社会に対して利益を還元できるか、その仕事が、いかに社会に役立ち、社会に必要とされ、社会へと還元できるかにすべてはかかっていると言っていい。


 そして3つめ、企業は社員の生活を保障しなくてはいけないということも重要なファクターである。


 利益の一部を真っ先に社員に還元すべきだという持論に代わりはないし、これも、我がが我がが、自分の利益を優先する企業と成り下がってしまっては、社会から当然支持されませんし、自分の社員から支持されないような企業では、いずれ衰退の一途を辿るようできている。


 これらを判断するのは、企業の転職率をバロメーターにすると、とてもわかりやすい。


 自分の企業に魅力のない企業は、やはり社員の定着率も低いですし、会社を辞めていく人が多いということは、企業をよく知る上での物差しとなりうる。


 やはり魅力的な企業は、自社の社員からも支持されるし、自分の会社に誇りを持つ優秀な社員で構成されていることが、第一の魅力である。


 自分の会社が好きで好きで仕方がない。

 だから仕事も頑張れる。


 仕事に情熱を捧げることができる。

 これらはすべてが密接に相互干渉し、緻密に繋がっていて、因果応報にできている。


 企業は存在意義、使命感を第一に考慮し、これらの理念を大切にし、けして利益を優先するだけの企業にならないよう、気をつけてもらいたい。


 社会に役立つことを念頭に置けば、自ずと利益は出るものだし、社員の給料にも反映され、WINーWINの関係が構築できるというのが世の習いというモノだ。

 

 自分だけが儲かればよいという企業には、未来はない。

 これだけは、はっきり言えることだと思う。

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